
《馬図》 伊藤若冲 画/無染浄善 賛 18世紀
右前脚を曲げて立つ馬の前半分という珍しい構図の作品。
胴体の輪郭線を濃墨で引き、鬣(たてがみ)には紙の性質を利用した「筋目描き」が用いられています。
頸の部分は薄墨を擦れさせ、大胆かつ繊細な筆遣いによって質感を描き分けているのが分かります。
担当者からのコメント
若冲が描く水墨画の特徴の1つである「筋目書き」の表現が見られる作品。
馬の輪郭がまるで書のように勢いよく描かれています。
黄檗宗の僧であった無染浄善によって「神のように優れた駿馬は生死を託すに足り、筆先には敬愛の情がありありと表れている」と賛が記されています。