没後5年　小嶋悠司展　魂の生彩－生きる者へ－

京都府出身、小嶋悠司は、ものの形を借りず、色によって自らの思想を語ることを目指していたという。 生彩とは本来「美しい彩り、生き生きと元気な様子」を表す言葉だが、小嶋作品を見て、どうしてこの言葉が浮かんだか不思議に思う方が多いだろう。小嶋作品が放つ色彩の奥深さ・彩りは、人生の重みや深さ・思想、すべてを表現した『魂の色』である。生きるための彩りは一般的な鮮やかさだけでなく、苦しみや哀しみを伴う色であって良いことを、小嶋作品は私たちに教えてくれる。 現在、コロナ禍で先が見えない苦境に私たちは立たされている。苦しい世の中を生きる今こそ小嶋作品を見てほしい。 「苦しさや悲しみの中で葛藤し、もがき、その中から自ら希望を見出すこと」 「自分の人生の色を彩ること」 その大切さを小嶋悠司は、すべての生きる者へ問いかけている。