現代アートチーム目[mé]がディレクションする芸術祭メイン会場。
その大ホールでは、参加アーティストによる音楽ライブ、パフォーミング・アーツの公演、映画上映など、多種多様な演目が行われ、公演のない日もそれらの準備やリハーサル風景が連日公開される(スケジュールをみる)。加えて、各展示室には、インスタレーション作品や写真作品、彫刻作品の展示、なかには日によって変化する作品も展開される。
さらに、メイン会場の内外やさいたま市内各所で毎日続々と仕掛けられるのは「SCAPER(スケーパー)」というプログラム。
これは、パフォーマーとそうでないものの差が曖昧になる仕掛けを展開するもので、その実態の有無自体が観客に委ねられる。
また、市民キュレーターらが中心となって展開する芸術祭会期以前から継続されてきた「市民プロジェクト」や、さいたま市の文化芸術資源との連携を図る「連携プロジェクト」などが市内各所に展開され、芸術祭期間中さいたまの街に膨大な〝営みの集合体〞が発生する。そして、それらは芸術祭期間中、絶え間なく動き続ける。
『〝すべてを見ることができない芸術祭であること〞を積極的に仕掛けていきたい。(目 [mé])』用意されたものでない『本当の〝気づき〞や〝体験〞には、観客がそれを見逃してしまう可能性が不可欠』とする本芸術祭。いつ来場しても同じ体験がキープされているのではなく、あえて観客が〝見逃す〞機会を多くつくることによって、そこで出会った体験の固有性を裏付ける。いつ、どこで、誰と、どんな状態でそれを体験をしたか。その日の天候、下車した駅、歩んだルート、ふとしたきっかけで目に止まった景色に至るまで。『何気ない経験の数々を、いつもより少しだけ積極的に見つめることで、誰にも奪えないような固有の鑑賞体験につながっていく』そんな状況が生まれる芸術祭を目指し、65日間さいたまに展開される。