美の呪力 －ニューギニアの姿・かたち－展

岡本の思想は、戦前パリで民族学を学び培われたものであり、戦後「縄文土器の美」の発見や、東北から沖縄にいたる原生日本の姿を求める活動へと続いてゆきます。さらに岡本の視線は海外にも及び、世界の仮面や神像などを集めて構成した1970年の大阪万博の《太陽の塔》の地下空間や、『美の呪力』のなかに集大成されることとなるのです。 このたび、根源的な生命感へのまなざしを持ち続けた岡本の思想を汲み、ニューギニア島を中心とするメラネシアの人々の民族造形や生活、文化に焦点をあてた展覧会を開催いたします。本展は、彼らの文化や生き方を通じて人間の本来的なあり方を見つめようとするものです。