常陸太田市立太田進徳幼稚園は,明治36年4月に太田尋常小学校附属幼稚園として設立され,今年で100年を迎えました。
近代的な教育制度である学制が明治5年に発布された以降,各地に小学校が設立されて近代教育制度の整備が進められるなか,日本の幼児教育のさきがけとして東京女子師範学校附属幼稚園(現 お茶の水女子大学附属幼稚園)が日本初の幼稚園として設立されたのが明治9年(1876)のことで,その9年後に県内初の幼稚園が土浦に設立されました。
常陸太田地方では,明治6年から小学校が各地に設立され,明治33年には県立水戸中学校太田分校(現県立太田第一高等学校)が開校するなかで,太田進徳幼稚園の設立は日本で初めて幼稚園が設立された27年後でしたが,県内の公立幼稚園では4番目という画期的なことでした。
今回の特別展においては,太田進徳幼稚園の設立100年の節目として,県内の幼稚園草創期の様子から太田進徳幼稚園の設立,そして100年間の幼児教育の変遷について紹介いたします。主な展示資料は土浦幼稚園所蔵の恩物(4点),日本初のドクトル佐藤進男爵の筆による進徳幼稚園園名看板,進徳幼稚園設立時からの園籍簿や沿革誌,卒園証書などのほかに,大正時代から現在までの保育の様子を市内の他の7園も含めて写真で紹介しています。