オランダの近代デザインを代表するヘリット・トーマス・リートフェルトは、20世紀初頭の近代デザイン史に大きな足跡を残した人物の一人です。有名な「レッド・アンド・ブルー」の椅子デザインや、またシュロイダー邸の建築に代表されるように、家具デザイナー、建築家として多彩な才能を発揮しています。
本展では、リーとフェルトによって制作された椅子のレプリカ3点と、シュロイダー邸の建築模型を展示し、CGや映像を通して彼の奇抜なデザインの一端を紹介いたします。また、リートフェルトがデザインした椅子に実際に座っていただくコーナーを設け、会期中は「レッド・アンド・ブルー」のミニチュアを実際に制作するワークショップなどを行います。
<ヘリット・トーマス・リートフェルト>
家具職人の父の下で働き、その後独立して自身の工房を設立。「レッド・アンド・ブルー」の原型となるシンプルかつ独創的なデザインの家具を作り出す。その後同時代の「デ・ステイル」運動にかかわることによって、赤・青・黄・黒・白などの基本原色を使用し始め、現在知られている「レッド・アンド・ブルー」「ジグザグ」「ベルリン・チェア」などのモダンなデザインの家具類を制作。椅子やテーブル以外にも子供用の玩具なども手がけている。シュロイダー(シュレーダー)夫人との出会いから、建築家としても活動し、世界遺産に登録されている「シュロイダー邸」を設計。その他の建築物の多くは、生地ユトレヒトに残されている。あくまでも職人としての活動にこだわりつづけたリートフェルトの椅子には、「だぼ継ぎ」「蟻継ぎ」などの伝統的な技法が用いられており、手作りならではの温かい人間性と遊び心があふれている。