当展覧会は、本年7月15日から8月31日の間に大阪・サントリーミュージアム[天保山]で開催され、大きな注目を集め好評をいただきました。このたびは、ガンダムファンをはじめとする多くの方々のご要望にお応えして急きょ東京展開催を決定しました。
「GUNDAM -来たるべき未来のために-」に参加するのは、1960年代から70年代にかけて生まれた世代の若手アーティスト15組(合計23名)。キュレーターには東谷隆司氏を迎え、『機動戦士ガンダム』に込められたれた未来に向けてのメッセージを、アーティストの作品を通して読み解く試みです。
『機動戦士ガンダム』で描かれた世界を「戦争」、「進化」、「生命」という3つの視点から見つめ、アーティストたちが未来に向けての思いを作品に展開していきます。また、「ガンプラ」をはじめとするガンダムをめぐる表現に着目し、多くの人々に影響を与え続ける文化現象として『機動戦士ガンダム』の魅力を紐解いていきます。
「戦争」をテーマとした作品では、迫り来る量産型モビルスーツを描いた会田誠《ザク(戦争画RETURNS番外編)》をはじめ、5メートルを超えるスケールで制作される彫刻、西尾康之《crash セイラ・マス》など、人間同士の生きるための戦いがもたらす脅威や不条理が表現されています。
「進化」では、モビルスーツやニュータイプなど、『機動戦士ガンダム』のなかで描かれている人間の身体能力と知性の進化にスポットをあてます。主人公・アムロがより覚醒したニュータイプへと進化する軌跡は、人間の「成長」と人類の「進化」とが重なり合った姿でもあります。ジオン軍内の研究機関「フラナガン機関」を、アーティスト八谷和彦と科学者たちの想像に基づいて模した空間作品《サイコ・コミュニケーター・システム》では、会場のお客様にニュータイプ試験システムを体験していただくプロジェクトを実施します。
「生命」をテーマとした作品では、空間や時間の制約を乗り越える知性と身体性を獲得した人類にとっての生命と、それを育む世界を取り上げます。戦いで宇宙空間に散ったララァ・スンとアムロの邂逅をテーマにした書、横山豊蘭《「光る宇宙」ニュータイプ・へんたいかな》など、覚醒した人類の心のありようにも思いを馳せる作品も展示されます。
このほか、地球連邦軍の宇宙戦闘用の機体「ボール(RB-79)」の形状で再構成したグラフィック、今井トゥーンズ《mONsTErB LL》や、原作に登場するメカニックをミックスして3Dで表現した作品、宇川直宏《768936352 dimensional of THE WAR》をはじめ、グラフィックやイラストを手がけるアーティストたちが原作のもつ視覚的イメージの多様性を自由に表現した作品を展示します。また、展示作品やグラフィック作品をもとにしたオリジナルグッズを多数展示・販売いたします。