建築家　グンナール・アスプルンド　－癒しのランドスケープ－

　北欧の生活文化のレベルの高さは世界的に知られており、機能性とデザイン性を兼ね備えた美しい住宅や家具、日用品などは日本でも根強い人気を誇っております。 　本展は、スウェーデンの近代を代表する建築家、エーリック・グンナール・アスプルンド（Erik Gunnar Asplund 1885-1940）の世界を、オリジナル図面、スケッチ、家具、模型などに加え、世界初公開となる、画家を目指した若き頃の絵画作品と、15年間アスプルンド建築を撮り続けた吉村行雄氏撮影による写真と映像により紹介をいたします。 　アスプルンドの建築は、「北欧モダン建築の原点」として位置づけられます。とりわけユネスコの世界遺産に登録されている≪森の墓地≫（1915-1940）では、スカンジナビアの雄大な自然を背景に、生命の尊厳への眼差しが、永遠なる自然の時間へと見事に昇華されています。 　自然との共生が人類の最重要課題の1つである今日、本展が自然と人との新しい関係を探る一つの指針となれば幸いです。