企画展「没後20年 鴨居玲展 -私の話を聞いてくれ-」

    長崎県美術館 | 長崎県

     洋画家・鴨居玲が没してはや20年が経過しました。自己の内面を鋭く抉りだすかのごとく、暗い闇から強烈なハイライトによって対象をとらえた鴨居の作品は、死をも感じさせるほどの緊張感に満ちており、観る者を惹きつけて止みません。  鴨居玲(1928-1985)は、新聞記者であった父鴨居悠の赴任地・石川県金沢市で生まれました。鴨居家はもともと平戸松浦藩に仕えた藩士の出ということもあり、鴨居自身も父親の出自である長崎県北松浦郡田平村小崎免(現・平戸市田平町小崎免)に本籍を持っていました。鴨居は18歳のとき、金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)に第一期生として入学し、宮本三郎に教えを受け才能を育みます。紆余曲折しながらも確実に画家としての地歩を固めていった鴨居は、1969年に《静止した刻》(東京国立近代美術館蔵)で新人画家の登竜門とも言われる安井賞を受賞し、具象画家として全国に名を馳せました。  1971年、鴨居はスペイン・ラマンチャ地方の小村バルデペーニャスに居を構えます。そこで村人たちとの交流を通じて描き出した酔っ払いや老人たちのシリーズは、人間を愛した鴨居のまさに真骨頂とも呼ぶべき作品群でしょう。また「自画像の画家」とも称された鴨居は、《1982年 私》(石川県立美術館蔵)に代表されるごとく、画業全体を通しておびただしい数の自画像を残しています。  本展覧会では、鴨居の専門学校時代から晩年に至るまでの油彩・水彩・素描による代表作約110点をご紹介いたします。人間が誰しも有する孤独や不安、そして愛に正面から対峙した鴨居の作品は、混沌を極める現在を生きる私たちに大きな示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
    会期
    2006年05月20日(土)~2006年07月17日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    10:00~20:00(展示室への最終入場は19:30)
    料金
    一般900円(800円)、大学生700円(600円)、中高生500円(400円)、70歳以上700円(600円)、小学生以下は無料 ※( )内は前売りおよび20名以上の団体割引料金。 ※障害者手帳保持者および介護者1名までは5割減額いたします。 ※常設年間フリーパスをお持ちの方は、当企画展を団体割引料金でご覧いただけます。 ※当企画展の観覧券をお持ちの方は、常設展を団体割引料金でご覧いただけます。
    休館日 5月22日(月)、6月12日(月)、26日(月)、7月10日(月)
    会場
    長崎県美術館
    住所
    〒850-0862 長崎県長崎市出島町2-1
    095-833-2110
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