「大エルミタージュ美術館展」

　世界最大の美術館のひとつに数えられるエルミタージュ美術館は、1764年にロシア女帝エカテリーナ2世がフランドル派やオランダ派の絵画225点を集めたことから始まります。彼女がエルミタージュ（隠れ家）の窓から覗いたのはヨーロッパ近代国家の都市文化の中において人間とは何か、を知る方法でした。 　その120年後、ポール・ゴーギャンは西洋文化を離れ、旅に出ます。出品作「果実を持つ女」で描いたのは、タヒチでようやく出会うことの出来た原色の自然と女性たちの姿でした。しかし彼はそこでもなお「自分は何処へいくのだろう？」と自問したのです。 　今回の展覧会は「都市と自然と人びと」をテーマに、15世紀ヴェネツィア派から20世紀近代絵画まで、75人の画家による油彩画80点を紹介します。印象派からはモネ、ルノワール、そして後期印象派ゴーギャン、素朴派のアンリ・ルソーそしてマティス、ピカソまで－ 　巨匠たちが感じ取った、美しい自然の中で生き生きと描かれる人びとの姿をご覧下さい。