オールドノリタケと懐かしの洋食器

　日本の洋食器は、殖産興業の国策によりヨーロッパの様式を模倣・学習することにはじまり、主にアメリカへの輸出用に金彩やラスター彩の華やかな装飾を取り入れ、そのための技術も大きく花開きます。その後、生活様式が洋風化した日本国内の需要に応えるためプリント技術など量産の工夫をこらし、デザイン的にも洗練された日本独自の洋食器が作られるに至りました。その過程で、独特の意匠と技術を発展させた「オールドノリタケ」などの素晴らしい作品が生み出されています。 　テーブルを彩るそれらには、西洋文化や新しいライフスタイルに対する先人たちの夢と憧れが込められています。本展はオールドノリタケだけではなく、他の製陶所や工芸家の作品も展示し、日本の洋食器文化の歴史を紹介します。日本の近代化の縮図を、洋食器を通して感じることができるのではないでしょうか。