丸山直文—後ろの正面—

    目黒区美術館 | 東京都

     丸山直文は1964年、新潟に生まれました。「絵画はすでに終わった」といわれていた1990年代、丸山直文は、顕微鏡で植物や細胞を見たときのようなミクロな生命形態を、はみ出るまでに拡大し描いた大画面の抽象絵画を次々に描き、一躍注目を浴びました。80年代の「ニュー・ペインティング」以降の動向を担う中心的作家のひとりと称された後も、技法としては綿布にアクリル絵具を染み込ませるステイニング技法を一貫してもちいながら、人物や風景などをモチーフに、独自の絵画を模索し続け、丸山の絵画は「写実と抽象が共存する絵画」とも称されてきました。  本展の副題「後ろの正面」は、初期の丸山が自らの作品のシリーズにつけたタイトルです。ステイニングで描いていると絵具が綿布に染込み、裏側が正面のような錯覚を感じたと言います。日本人の多くは、この言葉から「かごめかごめ」の歌を連想し、幼少の頃の懐かしい景色を思いだすかもしれません。色面と線が溶け合い、場所と時間が判然とせず、いつか、どこかで見た不思議な懐かしさを感じさせる桃源郷のような丸山の絵画。しかし、丸山のこうした特徴は、情緒的な表現欲求というよりも、きわめて理性的な絵画上の実験から生まれてきたものです。「後ろの正面」が相反する言葉の組み合わせからできているように、丸山は、1枚の絵画のなかに、普通なら相反することを同時に共存させようとしてきのです。  絵画があらためて見直されている昨今、本展は見逃れない展覧会となることでしょう。
    会期
    2008年9月27日(土)〜11月9日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(入館は17:30まで)
    カフェ 13:00~16:00のみ営業
    料金
    一般:800円(700円)/大学生・65歳以上:700円(600円)/高校生:500円(400円)/小中生:無料 ※( )内は20名以上の団体 ※障害者とその付添(1名)は半額
    休館日 月曜日(10月13日、11月3日は開館、翌10月14日、11月4日(火)は休館)
    会場
    目黒区美術館
    住所
    〒153-0063 東京都目黒区目黒2-4-36
    03-3714-1201
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