早田氏は、昭和18(1943)年に学徒出陣し、満州(現・中国東北部)へ渡りました。昭和20(1945)年に終戦を迎え、ソ連軍による武装解除の後、ハバロフスク州コムソモリスクの収容所などで約3年間に及ぶ抑留生活を送りました。昭和23(1948)年に帰国してからは、自身の抑留体験についてほとんど語ることはありませんでしたが、長い年月を経て、封印していた当時の記憶を水彩画で表現しました。そこには、苦しくつらい体験が描かれ、亡くなった戦友への想いが込められています。
本企画展では、早田氏の絵画を通じて、シベリアなどの酷寒の地において、乏しい食料と劣悪な生活環境の中で、過酷な労働に従事させられた「戦後強制抑留者」の方々の労苦を紹介します。
■■トークイベント■■
抑留者を勇気づけたメロディー「異国の丘」を題材に2つのトークイベントを開催します。
・8月9日(土)午後2時~
「作曲家 吉田正さんの音楽で知るシベリア抑留」
・8月16日(土)午後2時~
「劇団四季「ミュージカル 異国の丘」で知るシベリア抑留」
■■ギャラリートーク■■
当資料館学芸員が展示解説を行います。
企画展の見どころや展示資料にまつわるエピソードを紹介します。
日時:7月5日(土)、8月30日(土)、9月6日(土) 各日午後2時~(約30分)
会場:平和祈念展示資料館 企画展示コーナー
8月30日(土)は早田貫一氏のご家族を迎えてギャラリ-トークを実施します。