《喜怒哀楽の図》帰郷記念　戸田 海笛 展

戸田海笛（とだ・かいてき/1888～1931）は米子市両三柳に生まれ、1909年21歳で安来市出身の彫刻家・米原雲海（よねはら・うんかい）を頼り上京。以来、文展に４回、帝展に２回入選し、1923年には活動の場を広げるべく芸術家のあこがれの街パリへ留学しました。パリでは彫刻のほかに鯉などを描き、「ポワッソン（魚）・トダ」と呼ばれ、パリ国立近代美術館に作品を買い上げられるほどの評価を得ています。しかし志半ばで病に伏し客死しました。留学当時は藤田嗣治（ふじた・つぐはる）と親交を結び、海笛の葬儀では藤田が弔辞を述べました。 　 米子市美術館は2008年小企画展「米子が生んだ彫刻家 戸田海笛」を開催し、その調査の中で《喜怒哀楽の図》石膏レリーフ（縦185.0×728.5㎝）が、茨城県結城市に保管されていることを確認しました。《喜怒哀楽の図》は、1917年に制作され、「天の岩屋」「天孫降臨」「神武天皇の東征」などのできごとにより喜怒哀楽を表しています。 　 本展では、《戸田海笛「喜怒哀楽の図」帰郷100人委員会》のご協力により、米子での初公開となる石膏レリーフを展示します。あわせて、海笛上京時の支援者のご遺族や米子市近郊所有者のご協力により彫刻・日本画作品約40点を紹介します。