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レポート
モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい
ポーラ美術館 | 神奈川県
いつの時代も、女性は美しいです
瓜実顔に、黒々と輝く大きな瞳。女性の何をもって「美人」とするかは主観的なもので、個人の嗜好で基準は異なります。新時代の「美人イメージ」を創出した洋画家・岡田三郎助(1869-1939)の作品を中心に、現代に通じる「モダン美人」の原点を探る展覧会が、ポーラ美術館で開催中です。
ゴールドスミス&シルヴァースミス(イギリス)《あやめ文銀製化粧セット》1903-1907年
(左から)原画:岡田三郎助《ゆびわ(《ダイヤモンドの女》をもとにした多色石版画)》1908年 江戸東京博物館蔵 / 時事新報社《『The Belles of Japan:日本美人帖』》1908年
(左手前から)吉岡堅二《小憩》1933年 東京都近代美術館蔵 / 速水御舟《花ノ袴》1932年 株式会社歌舞伎座 / 榎本千花俊《池畔春興》1932年 島根県立石見美術館
(左から)《幾何学バラ模様銘仙着物》昭和時代 / 《縹色紙風船模様銘仙着物》昭和時代 / 《縮地縞矢絣模様銘仙着物》大正-昭和時代 いずれも個人蔵
第4章「モダンガールの時代 ― 花開く都市生活とファッション」展示風景
黒田清輝《野辺》1907年
(左から)藤島武二《匂い》1915年 東京国立近代美術館蔵 / 岸田劉生《満鉄総裁邸の庭》1929年
人気少女漫画『はいからさんが通る』(大和和紀・講談社KCDXデザート)とのコラボ企画も
時代によって変化する女性のおしゃれに焦点を当てた企画展。明治から昭和初期の「美人イメージ」の変遷や、多様化していった装いを、5章に分けて紹介されています。

現代に通じる「モダン美人」のイメージが固まりはじめたのは、明治時代。江戸時代の習慣を色濃く残しつつも、服装や髪形・化粧が、開国によって徐々に洋風に変化していきました。

明治期のおしゃれ最先端ウーマンは、日本史上初の洋装をした皇后・昭憲皇太后でした。明治天皇と皇后のイメージは、浮世絵や石版画などで複製され、庶民たちの間に広がっていきました。

イタリア人画家・グイード・モリナーリが描いた《昭憲皇太后肖像》は、ドレス姿にダイヤモンドのティアラという完全な洋装です。近代的で国際的な女性として表現された昭憲皇太后の姿は、日本の女性たちの憧れとなりました。



明治末期には、岡田三郎助が「美人イメージ」創出。岡田三郎助は、佐賀県に生まれ、明治末期から大正、昭和戦前期にかけて洋画界の重鎮として活躍してきた人物です。フランス留学から帰国後、甘美で気高い女性像を数多く描き、「美人画の岡田」と称されました。

江戸時代までの美人イメージは、つり目で鉤鼻の女性。岡田が描いた美人は、瓜実顔で、黒々と輝く大きな瞳を持つ女性たち。以降、岡田が描いた西洋風の美人像が「美人イメージ」となり、北野恒富などの画家たちに影響を与えました。

美人イメージを追及した画家たちと、理想の美人画に近づくため、おしゃれをする女性たち。時代は違っても、おしゃれに対する意識は変わらないのかもしれません。

最後に、展覧会コラボレーション企画をご紹介。大正時代を舞台とした、大和和紀の人気少女漫画『はいからさんが通る』のカラーイラストボードや、登場人物の等身大パネルが展示されています。

場所は、ミュージアムショップ付近。お気に入りのキャラクターと一緒に、矢絣の袴を着て写真撮影ができますので、展覧会の思い出にぜひ。

[ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2018年12月8日 ]

美術展完全ガイド2019美術展完全ガイド2019

晋遊舎(編)

晋遊舎
¥ 1,080

 
会場
会期
2018年12月8日(土)~2019年3月17日(日)
会期終了
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
会期中無休、但し2019年1月30日(水)は展示替えのため企画展示室は休室
住所
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話 0460-84-2111(代表)
0460-84-2111(代表)
公式サイト http://www.polamuseum.or.jp/sp/jmb/
料金
大人 1,800(1,500)円 / シニア割引(65歳以上)1,600(1,500)円 / 大学・高校生 1,300(1,100)円 / 中学・小学生 700(500)円

※料金はいずれも消費税込み。
※中・小学生の入館については、土曜日は無料。
※中・小学生が授業の一環として観覧する場合、中・小学生及び引率教員等の入館は無料。
展覧会詳細 モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい 詳細情報
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