インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
【注意】新型コロナウィルス感染防止にともない、展覧会・イベントは中止になる場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。[休館情報はこちら]
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  ヘレンド展 ― 皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯

ヘレンド展 ― 皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯

■東アジアを取り込んで
【会期終了】 ハンガリーを代表する高級磁器窯、ヘレンド。1826年に創設、ハプスブルク家の保護を受けて「オーストリア帝室・ハンガリー王室御用達」として発展し、現在でも高い評価を得ています。開窯初期の希少な逸品から現在の製品まで、ヘレンド190年余の歴史を振り返る展覧会がパナソニック 汐留ミュージアムで開催中です。
ヘレンドの前身は、1826年に創設されたクリームウェア製陶所です。上質な陶器を作っていましたが、破損しやすい事もあり現存する作品はごく僅か。展展覧会は、当時の貴重な皿からスタートします。

現在に至るヘレンドの名声を築いたのが、モール・フィシェル(1799-1880)です。貴族たちが所有していた磁器セットの割れてしまった器の補充や、逸品の複製などを積極的に手掛ける事で、ヘレンドの技術は飛躍的に向上。また当時盛んに行われた国際的な博覧会にも参加し、優れた製品が注目を集めるようになります。

この時期に最も高い人気があったのは中国の磁器、次いで日本の磁器でした。欧州の他の名窯と同様、ヘレンドも東洋磁器の複製を作る中で、技術を徹底的に研究しました。忠実なコピーを作るとともに、東洋のモチーフを取り入れた独自の造形も手掛けていきます。


第1章・第2章

モール・フィシェルの息子たちの時代になると、従来の手法を引き継ぐ一方で、新しい製品開発も進めます。

セーヴル窯を意識した紺色の地に金彩を施したロココ風の装飾は、その一例。トロンプ・ルイユ(騙し絵)は絵画の手法ですが、立体版のトロンプ・ルイユとして、野菜や果物などを盛った器全体を陶器で表現したものもあります。

二重の器壁に透かし彫りの装飾を施した「ウエールズ」文は、この時代を代表する手法。高い技術に裏打ちされた豪奢な表現は、日本の明治工芸を思わせます。

柿右衛門のモチーフを取り入れた「ゲデレー」文は、オーストリア皇妃兼ハンガリー王妃エリザベートが愛したゲデレー宮殿で使うために作られました。


第3章

19世紀末のハンガリーは建国1000年祭を控えて、民族意識が高揚。ヘレンド窯でも民族的な装飾様式「ハンガリアン・ナショナル」文様が確立し、重要なモチーフとなりました。

ふたつの世界大戦の間には、それまでほとんど作られなかった磁器人形にも進出。ハンガリー彫刻の傑作を磁器で再現しました。

第二次世界大戦後にハンガリーが共産圏に入ると、ヘレンドも国有化されます。一時、贅沢品としての磁器製作から離れますが、1990年代には再び民営化。窯の見学者に向けた設備を整え、社内アトリエも開設し、現在でも技術とデザインの両面でさらなる進歩を続けています。


第4~7章

日本におけるヘレンド展は、1993-94年の「ハンガリーの名窯 ヘレンド陶磁名品展」、2000年の「ヘレンド ~ ドナウが育んだ名陶 皇紀エリザベートが愛した華麗なる輝き」以来3回目ですが、今回はブダペスト国立工芸美術館が所蔵する名品をはじめ、逸品が多数出展。過去最高のヘレンド展となりました。華やかな器の数々は、特に女性の熱い視線を集めそうです。

ふくやま美術館からはじまった巡回展で、パナソニック 汐留ミュージアムで5館目。東京展が最終会場となります。一部の作品は展示替えがあります。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年1月12日 ]

美術展完全ガイド2018美術展完全ガイド2018

 

晋遊舎
¥ 1,080


■ヘレンド展 に関するツイート


 
会場パナソニック 汐留ミュージアム
開催期間2018年1月13日(土)~3月21日(水)
所在地 東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4階
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://panasonic.co.jp/es/museum/
展覧会詳細へ ヘレンド展 ― 皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯 詳細情報
新型コロナウイルス特集 with corona after corona
新型コロナウイルス特集 美術館・博物館・ミュージアムの休館・再開情報(毎日更新)
新型コロナウイルス特集 開幕延期・中止になった展覧会 会場レポート
新型コロナウイルス特集 会期が変更された2020年注目の展覧会
新型コロナウイルス特集 再開したミュージアムで始まった展覧会
取材レポート
エリアレポート 豊田市美術館「久門 剛史 - らせんの練習」
[エリアレポート]
久門剛史展
東京ステーションギャラリー「神田日勝
神田日勝
東京都江戸東京博物館「奇才
奇才
東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ」'
ピーター・ドイグ
国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」'
ロンドンナショナル
エリアレポート 大阪市立美術館「フランス絵画の精華」
[エリアレポート]
フランス絵画の精華
エリアレポート 茨城県陶芸美術館「幻の横浜焼・東京焼」
[エリアレポート]
幻の横浜焼・東京焼
エリアレポート 京都市京セラ美術館がオープン
[エリアレポート]
京セラ美術館
エリアレポート 渋谷区立松濤美術館「真珠 ― 海からの贈りもの」
[エリアレポート]
真珠
足立美術館に「魯山人館」がオープン'
魯山人館オープン
クラシックホテル展
クラシックホテル
アソビル「バンクシー展
バンクシー
岡田美術館「生誕260年記念 北斎の肉筆画
北斎の肉筆画
三菱一号館美術館「画家が見たこども」'
画家が見たこども
エリアレポート 市原湖畔美術館「雲巻雲舒 ― 現代中国美術展・紙」
[エリアレポート]
雲巻雲舒
エリアレポート 東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」
[エリアレポート]
ピーター・ドイグ
エリアレポート 細見美術館「飄々表具 ー 杉本博司の表具表現世界 ー」
[エリアレポート]
飄々表具 杉本博司
エリアレポート ふじのくに地球環境史ミュージアム「消えゆく隣人」
[エリアレポート]
消えゆく隣人
国立新美術館「古典×現代2020」'
古典×現代2020
21_21
デザイナー達の原画
エリアレポート 愛知県陶磁美術館「異才 辻晉堂の陶彫」
[エリアレポート]
辻晉堂の陶彫
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 ハマスホイとデンマーク絵画 特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」 フランス絵画の精華
写真展「138億光年 宇宙の旅」 【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス 真珠 ― 海からの贈りもの 特集展示 大津絵と江戸の出版
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青社グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社