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特別展「名作誕生─つながる日本美術」

■濃密な12テーマ
【会期終了】 岡倉天心らによって創刊され、現在も発行されている美術雑誌としては世界最古の歴史を誇る『國華』。創刊130周年を記念して開催される本展は「つながり」がテーマです。日本美術史上に残る数々の名作が生まれた背景に迫っていきます。
國華の編輯委員と東京国立博物館の研究員によって企画された本展。展覧会は4章構成、全12テーマという巨大なスケールです。

第1章「祈りをつなぐ」は、仏像が林立するドラマチックな展示室から。中国とは異なり、彫刻に適した石が無い日本。木による仏像は、鑑真とともに渡来した工人から、日本の工人に広まりました。

白象に乗った普賢菩薩が合掌するのは、平安時代から。国宝《普賢菩薩像》(東京国立博物館蔵:前期展示)もこのスタイルで、新制作の展示ケースにより、近寄って鑑賞できます。

日本に仏教が広まる過程でつくられたのが、偉大な祖師の生涯を描いた伝記絵です。国宝《聖徳太子絵伝》(東京国立博物館蔵)は、現存最古の祖師絵伝です。


第1章「祈りをつなぐ」

第2章は「巨匠のつながり」。雪舟等楊は、約200年前の元や南宋時代の絵画だけでなく、同時代の明の絵画も吸収。「画聖」と称される独自の世界に到達しました。

俵屋宗達は、文学や謡曲を主題にした作品が得意。古画の図葉をそのままトリミングして再配置した「わかりやすさ」は、宗達の特徴のひとつです。

同じ中国画を模写した伊藤若冲と狩野探幽ですが、その違いは顕著です。若冲の鶏の作品は、似たかたちを繰り返しつつ、変容も見られます。


第2章「巨匠のつながり」

第3章は「古典文学につながる」。伊勢物語や源氏物語は平安時代の人気小説ですが、名場面を象徴するモチーフは、後年の絵画や工芸に取り入れられました。

伊勢物語なら、燕子花と橋で『八橋』、蔦と楓の山道で『宇津山』。これらの「お約束」は、公家にとって必須の教養です。

源氏物語も、近世に至るまでさまざまの作品に用いられています。特に『夕顔』(牛車など)と『初音』(松枝・鶯・髭籠)は人気がありました。


第3章「古典文学につながる」

第4章「つながるモチーフ/イメージ」は、自然や人をテーマにした名作と、その型を受け継いだ作品です。

正月に展示される事が多い、国宝 長谷川等伯筆《松林図屛風》も登場(前期展示)。風俗図から人物表現への流れとして、国宝 岩佐又兵衛筆《洛中洛外図屛風(舟木本)》から、菱川師宣筆《見返り美人図》への変遷も紹介されています。

最後の「古今をつなぐ」はユニーク。近代絵画の岸田劉生の作品に対し、浮世絵版画や寒山拾得図など東洋絵画からの影響を見てとります。


第4章「つながるモチーフ/イメージ」

広い会場ですがテーマが多い事もあり、テーマごとの作品は少数精鋭。ぎゅっと凝縮された、とても密度が濃い展覧会です。おすすめしたいのが、名作同士のつながりが図解で解説された図録(2,500円)。入門書としても最適です。

展覧会は5月6日(日)までの前期と、5月8日(火)からの後期を含め、細かく分けると5回の展示替えがあります。昨年再発見された雪舟《倣夏珪山水図》は後期展示、リピーター割引(半券提示で100円引き、詳細は公式サイトで)もご活用ください。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年4月12日 ]

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山下裕二(監修)、高岸輝(監修)

美術出版社
¥ 3,024

料金一般当日:1,600円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon


■名作誕生 つながる日本美術 に関するツイート


 
会場東京国立博物館
開催期間2018年4月13日(金)~5月27日(日)
所在地 東京都台東区上野公園13-9
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://meisaku2018.jp/
展覧会詳細へ 特別展「名作誕生─つながる日本美術」 詳細情報
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