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    暗闇に浮かぶガス灯の光、明治を賑わせた光線画の世界 ― 太田記念美術館「闇と光 ― 清親・安治・柳村」
    (掲載日時:2022年10月29日)

    太田記念美術館「闇と光 ― 清親・安治・柳村」会場
    太田記念美術館「闇と光 ― 清親・安治・柳村」会場

    真っ暗な夜の街に輝くガス灯の光など、光や影のうつろいを巧みに表現した浮世絵「光線画」で明治時代に人気を博した、小林清親(1847~1915)と、井上安治(1864~89)、小倉柳村(生没年不明)という3名の作品を紹介する展覧会が、東京ではじまる。

    小林清親は今から約150年前の明治9年(1876)に、従来の浮世絵では一般的だった主版(輪郭線)を極力用いず、色の面で人物や自然を捉えた作品を発表。

    時刻や天候による空や雲の変化を何種類もの色版やぼかしで表現したり、水面に反射する影や灯りを細い線を重ねることで繊細に描写したりするなど、光を丁寧に観察した作品は「光線画」の名称で人気を博した。

    清親の門人だった井上安治も、作風を受け継いだ大判の光線画を制作。小倉柳村も清親に倣って光線画を制作した。

    光線画の流行はわずか5年ほどだったが、これらの作品は、大正や昭和期に活躍した川瀬巴水や吉田博らによる「新版画」の先駆けとしても位置付けられる。

    展覧会では、小林清親を中心に、これまで紹介される機会の少なかった井上安治と小倉柳村が描いた光線画、約200点を展示する。

    「闇と光 ― 清親・安治・柳村」は太田記念美術館で2022年11月1日(火)~12月18日(日)に開催。入館料は一般 1,000円など。11月23日(水・祝)までの前期と11月26日(土)からの後期で、全作品が展示替えされる。


    太田記念美術館「闇と光 ― 清親・安治・柳村」会場
    太田記念美術館「闇と光 ― 清親・安治・柳村」会場

    太田記念美術館「闇と光 ― 清親・安治・柳村」会場
    太田記念美術館「闇と光 ― 清親・安治・柳村」会場

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