ホキ美術館「第3回 私の代表作展」
撮影・文 [エリアレポーター]
松田佳子 / 2017年11月17日
写実絵画だけを取り上げた特徴のある美術館が、ホキ美術館です。都心から車で一時間半、千葉市緑区の閑静な住宅街にひっそりと佇んでいます。
とても個性的な外観通り、中に入ってもおしゃれでゆったりとくつろげる空間でした。
今回はホキ美術館が「私の代表作」というテーマで写実絵画の作家さんに制作を依頼した、100号以上の新作のお披露目を取材してきました。
7名の作家の方々が集まられ、それぞれご自分の絵の前で作品への想いを語ってくださいました。
この美術館のこの壁でと、展示される場所と目的が明確だからこそ、いつもの作風と違うテーマにチャレンジされて制作された作家さんも多かったです。
ご自身の作品を語られる石黒賢一郎さん。上の写真はお嬢さんをモデルにした絵画に添えられたFRP素材の立体作品です。お嬢さんのユウキさんが搭乗して戦うグルアビベダだそうです。ご自身とそっくりです。
今回の作品は、ご自宅の敷地内の樹を連作したうちの1枚だと語る大畑稔浩さん。連作のその他の作品は、別室にありました。
野田弘志さんの作品は、ノーベル化学賞を受賞された野依良治先生です。野依先生のストイックな内面がみごとに写し取られたような作品でした。
いつも人物を描かれている島村信之さんは、クワガタ愛好家であるご自身のコレクションを自由な気持ちで楽しく描かれたこと、人物画はモデルの発する力とのせめぎあいだと語られた五味文彦さんなど、それぞれの想いを興味深く伺うことができました。
この展示会場では、作品の横にあるボタンを押すと解説が流れますので、ご来場の際は参考になさってみてください。
同じ作家さんの過去の作品が同美術館の他室にあるので、今回の作品と見比べるのもまた楽しいかと思います。
印刷物になった写実絵画は、残念ながら作家の個性を見分けることは難しいように思えます。私も今までは写実絵画といえば「写真みたいですごいな」という印象しかありませんでした。
けれどこれだけ多くの写実絵画作品を見ていくと、筆の運び方、絵具の塗り方、素材の使い方などそれぞれ個性が豊かで、それぞれの創意工夫がよくわかり、興味を持つことができました。
リアルな表現とは物事の本質を掘り下げていく努力ともいえるかもしれません。ぜひ実物を間近でご覧になってみてください。
会場 | ホキ美術館 |
開催期間 | 2017年11月18日(土)~2018年5月20日(日) |
休館日 | 火曜日、12月30日~1月1日 |
開館時間 | 10:00~17:30(入場は17:00まで。12月29日は16:30閉館) |
所在地 | 千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15 |
043-205-1500 |
HP : https://hoki-museum.jp/ |
料金 | 一般 1,800円、高校生・大学生・65歳以上 1,300円、中学生 900円 |
展覧会詳細へ |
「第3回 私の代表作展」詳細情報 |
エリアレポーターのご紹介
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松田佳子
湘南在住の社会人です。子供の頃から亡き父のお供をして出かけた美術館は、私にとって日常のストレスをリセットしてくれる大切な場所です。展覧会を楽しくお伝えできたらと思います。
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