画業50年“突破”記念の展覧会が開催されました。突破記念⁉そんな勢い衰えないタイトルを掲げているのは、・・・漫画家永井豪さんです。
のっけからドキッとさせられます。開会式での永井さんの挨拶。
「デビュー前から色んなジャンルに対応できるよう努力しています。」
(今も現役の漫画家なら当然かもしれませんが)50年を振り返ることよりも、今以上を我々に誓う宣言にも聞こえます。なんというパワー。永井豪さんはなにもの?
©1967-2018 Go Nagai/Dynamic Production All Rights Reserved.
会場は約600点もの原画、資料、そして永井さんの仕事机が再現されているコーナーなど、圧巻です。
私自身は、漫画ではなく「ドロロンえん魔くん」「キューティーハニー」「デビルマン」・・・とアニメで永井作品に接していました。
そんな方も多いかもしれません。このタイトルを見ただけで、(同世代の方なら)蘇るものがあるのではないでしょうか。そして、こんなに多くアニメ化された=(イコール)漫画が絶大な支持を得ていたと、再認識させられます。
石森章太郎のアシスタントを経て、昭和42年「目明しポリ吉」でデビュー。それ以降、ほぼ連載がとぎれていないそうです。
「ハレンチ学園」で社会現象を起こし、ストーリーマンガを確立させるために全力を注いだ「デビルマン」、そしてロボットマンガの元祖ともいえる「マジンガーZ」と数々の作品で旋風を巻き起こしてきました。
今回の展覧会では、彼の作品を「鬼と悪魔」「ヒーロー、ヒロイン」「ギャグ」「ロボット」と大きく4つのジャンルに分けて展示しています。
©1967-2018 Go Nagai/Dynamic Production All Rights Reserved.
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それぞれの原画を見ていると、原色が目につきます。
そういえば昔、漫画雑誌は、こんな色遣いだったかも…そんなことを思い出します。
現在の日本では、すっかり「kawaii」カルチャーが定着し、子供の頃に親しんだサンリオキャラクターさえも、パステルカラーで仕様がすっかり変わっています。
印刷技術の進化も一因かと思いますが、70年代、80年代は、原色が似合うギラギラした時代だったのかもしれません。
この秋以降、美術館では80年代にスポットをあてた現代美術展がいくつか開催されるようです。
80年代を改めて意識することで、今展で感じたことがリンクしていくような気がします。永井作品を堪能するだけでなく、時代を振り返ることのできる展覧会です。
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「歴史、神話やファンタジーと新たな分野に挑戦したい」と永井さんは言います。50年という節目は更なるステップのための土台となるのでしょう。
熱く語る言葉と、目の前にいる永井さんの優しく気負いのない雰囲気がミスマッチで、それが余計に「永井豪」を知りたいという気にさせていきます。
永井先生、ずるいです!
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カワタユカリ
美術館、ギャラリーと飛び回っています。感覚人間なので、直感でふらーと展覧会をみていますが、塵も積もれば山となると思えるようなおもしろい視点で感想をお伝えしていきたいです。どうぞお付き合いお願いいたします。
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