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    レポート
    ウィーン工房1903-1932 モダニズムの装飾的精神
    パナソニック汐留美術館 | 東京都
    モダニズムと装飾、ウィーン工房30年の歩み
    20世紀初頭の1903年、二人の建築家と実業家の3名によって設立されたウィーン工房。モダン・デザインでありながら装飾的でもあったウィーン工房の全活動を紹介する展覧会が、パナソニック電工 汐留ミュージアムで始まりました。
    右はコロマン・モーザーのアームチェア(1903)。本展のシンボル的存在です。
    銀製の花器など。背後の写真はプルガースドルフのサナトリウム食堂(2階)。
    こちらはガラス器
    家具4点。右端はコロマン・モーザーの食器棚(1903)
    手前はヨーゼフ・ホフマンの「座るためのマシーン」(1905年頃)
    コロマン・モーザーによるベッドとベッドサイドテーブル(1904年頃)
    第3章の展示。モーザー不在の工房は過渡期を迎えます
    財布やノートカバーなど
    第4章の展示。日本に嫁いだフェリーチェ・リックスに焦点をあてています。
    建築家のヨーゼフ・ホフマンとコロマン・モーザー、実業家のフリッツ・ヴェルンドルファーの3名によって設立されたウィーン工房。建築、インテリア、家具、照明、食器など、生活に関連するあらゆるものについて装飾を一貫したスタイルで統一する「総合芸術」を標榜し、制作から販売までを一手に引き受けた企業です。1929年の世界恐慌の影響もあってその活動は約30年間にとどまりましたが、機能的でありながら優れた装飾性も兼ね備えた品々は、今なお高い評価を得ています。

    銀製の花器など

    今回の展覧会は、ウィーン工房の初期から解散までの約30年間の全活動を、年代を追って作品とともに紹介するものです。初期に作られたコロマン・モーザーによるアームチェアーから、銀製の食器やカトラリー、家具、絵はがき、ドレス、ジュエリー、プリント生地まで、4章に分けて紹介しています。

    家具など

    ウィーン工房の30年の歴史は、大きくはコロマン・モーザーが工房を退くまでの前期と、以後の後期に分けることができます。ウィーン工房のデザインとして思い浮かぶ幾何学的な装飾は、前期のスタイル。端正かつ理性的な装飾はモダンな印象で、矢萩喜従郎さんの会場デザインにもよく映えて見えます。後期はモード部門が稼ぎ頭となったこともあり、ロココ調の装飾が特徴となっていきます。

    第4章の展示

    19世紀末のウィーン分離派にみられる退廃的かつ芸術的な要素と、20世紀のモダンデザインが対立することなく繋がった美しいデザインの数々。ウィーン工房の活動全期を通してみることができる日本初の回顧展は、2011年12月20日(火)までの開催です。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年10月7日 ]
     
    会場
    会期
    2011年10月8日(土)~12月20日(火)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(入館は17:30まで)
    休館日
    水曜日(祝・祭日は開館)、展示替期間、年末年始、夏季休業期間
    展覧会によって、水曜日が開館になる場合がございます。
    住所
    東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック電工本社ビル4階
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://panasonic-denko.co.jp/corp/museum/
    展覧会詳細 「ウィーン工房1903-1932 モダニズムの装飾的精神」 詳細情報
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