「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」は作家・編集者・写真家である都築響一とおかんアートをこよなく愛する下町レトロに首っ丈の会をゲストキュレーターに迎え、2000年代初頭から「おかんアート」と呼ばれて密かに注目されてきた、「母」たちのつくる手芸作品の数々、1,000点以上を紹介する展覧会です。
これまでに都築響一が追い続けてきた「おかんアート」は、商店街の店先、公民館や道の駅など全国各地に点在しています。各地域の作り手による「おかんアート」は個々に素材やスタイルの工夫や違いはあるものの、どこか共通点も多いことが特徴と言えそうです。本展では、都築響一のユーモアのある視点から「おかんアート」を再考してご紹介します。さらに、「おかん宇宙のはぐれ星」と題した都築響一特選の3名の作家による特別展示も行います。
さまざまな角度から「おかんアート」の魅力に触れることで、専門的な美術教育とはかかわらない作り手による創作の場や時間のあり方、その表現や魅力に迫ります。あなたの街や家の中にも、もしかしたら素敵な逸品が眠っているかもしれません。
【キュレーター プロフィール】
都築響一
1956年、東京都生まれ。作家、編集者、写真家。1989~1991年にかけて美術選集「アート・ランダム」にて『アウトサイダー・アート』と『アウトサイダー・アートⅡ』を出版し、欧米のアール・ブリュット/アウトサイダー・アートの動向をいち早く日本に紹介した草分け的存在。今日に至るまで、都市のアウトサイドから民俗、ファッション、現代アートまで幅広い領域を横断しながら、独自の視点と経験を活かしたフィールドワークと発信を続けている。
下町レトロに首っ丈の会
伊藤由紀(駄菓子とクレープの店「淡路屋」店主)と山下香(建築まちづくり 事務所「状況設計室」代表)を中心に、兵庫県神戸市の兵庫区和田岬を拠点に 活動する。 2005年の設立から下町に残る人や空間といった地域資源を発掘し、下町遠足 ツアーの開催や下町レトロ地図の出版を通して魅力を発信している。ツアー 訪問先のあちこちでおかんアートと出会って以来、おかんアートにのめり込む。 現在、おかんアーチストと共に熱量と嗅覚を駆使しながら、月1回開催する 「おかんアート大学」や年に一度のお祭りである「おかんアート展」に取り組んでいる。