アートがあれば　Why not live for Art?

　美術作品の「コレクション」といえば、多くの人は美術館に陳列されている作品や、企業や個人の名を冠した国内外の有名コレクションをイメージされることでしょう。しかしながら、ニュースで耳にするような億単位の美術作品とは異なり、現代美術作品のなかには一個人が日常生活を送るなかでめぐり合い、購入し、人生を共にするものもあります。 　個人が作品を日常の営みのなかで収集する土壌がようやく形成され始めてきた現在、雑誌や展覧会でも個人が収集した「プライベート・コレクション」が注目されるようになってきました。インテリアの観点から、アートがある暮らしの提案として、あるいは個人の視点から見たアートシーンとして、新たな時代のコレクションのあり方とコレクター像が生まれつつあるのではないでしょうか。 　こうした状況のなか、当館では9つのプライベート・コレクションと当館のコレクションをとおして、アートが私たちの生活や価値観とどのように結びつき得るのかを紹介します。 日常の営みのなかで接するアート作品とは、一体どのようなものでしょうか？また、人はなぜ、何を求めて作品を集めるのでしょうか？そして、作品には一体どのような引力があるのでしょうか？ 本展では、収集のきっかけや、運命の作品との出会い、交流を築くに至ったアーティストにまつわるコレクターの様々な思いを、作品と一緒にご覧いただきます。そして、アートの魅力や他者の異なる価値観に触れながら、「アート＆ライフ」に向けられた新たな視点を発見する機会となることでしょう。