美術館に行こう！　ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方

　佐倉市は江戸時代、蘭学の先進地としての歴史を持つことから、現在でもオランダと友好関係にあり、さまざまな文化交流を行っています。当館でも、オランダの作家や作品の紹介をひとつの柱として企画展を行ってきました。今年度は日本でもたくさんの絵本が翻訳され、愛されてきたディック・ブルーナの「ミッフィー」が登場します。 　ディック・ブルーナの絵本は、一目見ただけで強い印象を与える独特のスタイルで描かれています。このオリジナリティは、ブルーナのモダン・アートへの興味からはじまり、膨大なデザインワークの末に獲得されたものだといわれています。 　絵本「ミッフィーのたのしいびじゅつかん」（1997年）には、ブルーナが影響を受けたであろうモダン・アートが登場し、それらの作品を小さなミッフィーが楽しみながら理解していく過程が描かれています。本展では、この絵本を美術鑑賞の手引きとし、「モダン・アート」を「近代の美術」と読みかえ、ストーリーに沿って当館の収蔵作品を紹介します。また、ブルーナがどのように独自の技法やスタイルを生み出していったのかを、ペーパーバックのデザインを中心に紹介しながら、ブルーナスタイルの秘密を探ります。