無限への立ち位置—河口龍夫の1970年代

    宇都宮美術館 | 栃木県

     1980年代以後今日にかけて、河口の作品は多様な広がりを見せて展開されますが、その大半の試行はすでに1970年代の作品に現れています。これまでこうした点はあまり指摘されることはありませんでしたが、この企画ではいわば河口作品のルーツを訪ね、最初の発表時を除いて後に発表の機会のなかったこの時代の作品も多数展示されます。その作品内容は、美術ではふつう重きを置かれない「見えないもの」に対する異常なまでの関心を示しています。《関係—エネルギー》も題名のように見えないエネルギーをモチーフにしています。しかし、エネルギーはネオン官を通ることで光に変わり、電熱器を通ることで熱に変わり、今では使われなくなったベルでは振動を利用して音に変わります。エネルギーというと少しも身近ではありませんが、光や熱や音に変わることで一挙に日常的な生活や現象になります。そうして河口は「見ること」にばかりかまけて失われた人間の想像力や表現の本来の豊かさを回復させようとしています。昨年、河口龍夫は兵庫県立美術館と名古屋市美術館でほぼ同時に個展を開催しました。これらの大きな美術館で同時に展覧会が可能な作家はめずらしいでしょう。さらに今年から来年にかけて当館以外に3つの公立美術館での個展が予定されています。当館ではこうした河口の長いキャリアの起源となる時代の表現を対象に、同時代はもとよりその後の時代をリードした表現の先駆性にスポットを当てます。
    会期
    2008年6月12日(木)〜7月13日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00(入館16:30まで).
    料金
    ○企画展またはコレクション展のチケットでご覧になれます。 一般:310円(250円)/大学生・高校生:210円(160円)/中学生・小学生:100円(80円) ※( )内は20名以上の団体料金 ※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介護者(1名)は無料です。 ※宇都宮市内の小学生・中学生・高校生は無料です。 ※毎月第3日曜日(5月18日)は「家族の日」のため、ご家族で来館された高校生以下はすべて無料、同伴の大学生・一般の方は半額となります。
    休館日 月曜日
    会場
    宇都宮美術館
    住所
    〒320-0004 栃木県宇都宮市長岡町1077
    028-643-0100
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