「ブローニーフィルム」は中判カメラ用のフィルムとして写真を趣味としている人にはなじみ深い言葉ですが、では「ブローニー」とは何でしょう?カメラの形式でもなければ製造会社でもありません。それは、「妖精」の名前だったのです。
「ブローニー」はカナダ人の作家、バルマー・コックス(Palme Cox:1840-1924)によって、1879(明冶12)年に生み出されました。そして、このキャラクターは1880年代からl900年代にかけてアメリカで人気を博し、絵本をはじめゲームや弁当箱、時計など多くの製品に使用されました。
そのひとつにカメラがあり、イーストマン・コダックが製造した「ブローニー」シリーズのカメラは長期間「ブローニー」の名前を使用していました。なかでも1901(明治34)年の「No.2プロー二一」は、同時に発売された専用フィルムとともに世界中に広まり、「ブローニーフィルム」という呼び名を一般的なものとしました。その後、このフィルムは「120フィルム」となり、100年余り経過した今日でも使用される最も古いフィルム規格となりました。
今回の展示では、各種「ブローニー」の紹介と、「l20フィルム」を使用するカメラを中心に展示し、その長い歴史や様々な用途に応える多様性でアマチュアからプロフェッショナルまで幅広く愛用される中判カメラの数々を紹介します。
また、本展示期間中はブローニーフィルムを使用するカメラ(120フィルム用カメラ)持参で、入場料一般300円のところ特別料金の200円でご覧いただけます。