時代には考証学の盛行を背景に、書においても金石(きんせき)資料が注目され、従来の王羲之(おうぎし)を中心とする法帖(ほうじょう)に代わって、青銅器の銘文や石碑の書などが尊ばれるようになりました。金石に書の拠りどころを求めた人たちを「碑学派(ひがくは)」と称し、これまで法帖を学んでいた「帖学派(じょうがくは)」と区別しています。
彼らは、はじめ唐時代の楷書(かいしょ)や漢時代の隷書(れいしょ)に注目していましたが、やがて山野に埋もれていた青銅器や石碑にも視野を広げ、野趣あふれる楷書や篆書(てんしょ)・隷書を中心とする、新たな書風を形成しました。
また、阮元(げんげん)や包世臣(ほうせいしん)らが北碑の書を称揚する理論を提唱したことで、碑学派は清時代の書の主流を占めるようになりました。
今回で11回目を迎える連携企画は、東京国立博物館、台東区立書道博物館の他にも、台東区立朝倉彫塑館を加え、台東区内に近接する3館が連携して、碑学派の主な書人の代表作を紹介し、碑学派の流れを概観します。
従来の書の流れを大きく変えることとなった、清時代の碑学派。学問に裏付けられて生まれた、碑学派の書の魅力をたっぷりとお楽しみください。
東京国立博物館 http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1636
朝倉彫塑館 http://www.taitocity.net/taito/asakura/index.html
書道博物館 http://www.taitocity.net/taito/shodou/