重要文化財指定記念　まるごと氷川丸展

「ハイカワマル！ハイカワマル！」昭和5（1930）年5月、氷川丸のシアトル（米国）入港に合わせて現地ラジオ局の放送が初入港を盛り上げます。氷川丸は寄港地シアトルやバンクーバー（カナダ）の市民から盛大な歓迎を受けました。戦前、北米シアトル航路に就航し、ハイカワマルという愛称で親しまれた氷川丸はその後、病院船、復員船、引揚船と姿をかえながらも幾多の試練を乗り越え、多くの乗客と共に航海を続けました。 昭和から平成と時代は移り、現在、山下公園（横浜市）に係留中の氷川丸は海上で保存されている船舶としては、初の重要文化財に指定されることになりました。海運を通じて日本の近代史を語る証人として、また造船技術史上、唯一残る戦前の大型貨客船として評価を受けました。 本展ではこれを記念して、カラースキーム（客室デザイン画）やパンフレット、写真、氷川丸に携わった人々の手記などの関連資料を紹介しながら、誕生から今日に至るまでの86年を通観し、氷川丸の航路をたどります。