「ジャム・セッション」は石橋財団コレクションと現代美術家の共演です。その第二回に、1985 年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作して以降、今日に至るまで、古今東西の絵画や写真に表された人物に変装し、独自の解釈を加えて再現する「自画像的作品」をテーマに制作し続ける森村泰昌を迎えます。森村は、青木繁《自画像》(1903 年)、《海の幸》(1904 年)にインスピレーションを得た作品を制作するなど、以前から当館の青木作品へ密かな想いを寄せていました。このたび、その森村が改めて《海の幸》と本格的に向き合い、当作品が制作された明治期以降の日本の文化、政治、思想などの変遷史を“森村式”、略して“M式「海の幸」”として形象化し、青木への熱い想いを新たなる作品シリーズへと昇華させます。