震災で津波被害を受けた岩手県野田村などの沿岸部で、住宅や公共施設の移転先として検討している高台に国や県が指定する史跡があり、移転の動きが思うように進まない問題が出ている。
移転先として検討している場所には縄文時代の竪穴住居跡が広がり、一部は県の史跡に指定済み。史跡の開発は県の文化財保護条例で制限され、史跡周辺も貴重な文化財が埋まっている可能性が高く、開発には試掘調査が必要。県教育委員会は史跡開発には否定的で、史跡周辺についても厳格な試掘調査を求めている。
大船渡市赤崎町蛸ノ浦地区でも、国指定史跡の蛸ノ浦貝塚への住宅建設を求める要望書を住民が市に提出したが、県教委は「市の計画でも開発を認めておらず過去に例もないことから、国の開発許可を受けるのは難しいのではないか」と話している。
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毎日jp