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塩田千春展:魂がふるえる

■圧巻の空間インスタレーション
ベルリンを拠点に、世界各国で積極的に活動している塩田千春(1972-)。近年は空間に糸を張り巡らせたダイナミックなインスタレーションで注目を集めています。初期作品から最新作まで、その活動を網羅的に紹介する過去最大規模の個展が、森美術館で開催中です。
塩田千春は大阪生まれ。京都精華大学では絵画を学びましたが、オーストラリアからドイツに留学する中で、パフォーマンスやインスタレーションなど、多彩な表現を手掛けるようになりました。

展覧会で作品を発表する事が大好き、という塩田。これまでに300本の展覧会に参加しています。個性的な活動が日本で知られるようになったのは、2001年の横浜トリエンナーレから。「DOMANI・明日展 2013」での展示は、この項でもご紹介しました。

本展は、その活動の集大成といえる展覧会です。1990年代の作品から、近況を踏まえてかたちになった最新作まで、過去25年分の作品が並びます。



作品展示は、美術館に至るエスカレーターの吹抜け空間から始まります。多数の白い舟が吊り下げられた《どこへ向かって》。舟は塩田さんの作品にしばしば登場するモチーフです。

会場に入って冒頭は《手の中に》。子どもの手で、抽象的なモチーフを守っているような作品。手の造形は、塩田の娘さんの手から型取りしたそうです。

続く空間が、最初の見せ場といえる《不確かな旅》です。白い展示室全体が、フレームの舟から広がる真っ赤な糸で埋め尽くされます。2015年のベネチア・ビエンナーレ日本館での展示より、抽象化されました。

続いて、初期の絵画作品や、自らの身体を使った挑戦的なパフォーマンスなど。2001年の横浜トリエンナーレで注目を集めた、巨大なドレスの作品《皮膚からの記憶》も、写真パネルで紹介されています。

《外在化された身体》は、本展に向けた新作です。自らの腕や足を型取りした身体の部位と、血液や内臓や思わせる赤い皮が吊るされます。実は塩田は、個展が始まる前に、以前患っていた癌が再発。現実のものとして死を強く意識するようになったと言います。

奥に進むと、第2の見せ場である《静けさの中で》。焼け焦げたグランドピアノと観客用の椅子が、こちらは黒い糸で埋め尽くされます。幼少期に隣家が火事になった経験から着想。音が出なくなったピアノから、無数の音が観客に届いています。

《時空の反射》も、黒い糸を用いた作品。黒い糸で覆われた立方体の空間に、二着のドレスが浮かびます。空間は鏡で仕切られているので、見えるのは同じドレスの実像と虚像。ただ、鏡の裏にはもう一着のドレスがあり、虚と実が交錯します。ドレスも塩田の作品にしばしば登場するモチーフです。

美術に詳しくない人でも、圧巻の空間インスタレーションには納得してしまう事、間違いなし。美術に詳しい方はさらに必見。いかにも現代の美術展といった趣なので、将来、この展覧会を見ていないと話に入れなくなります。一部をのぞいて写真撮影も可能です。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年6月19日 ]

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ぴあ(編)

ぴあ
¥ 994

料金一般当日:1,800円
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会場森美術館
開催期間2019年6月20日(木)~10月27日(日)
所在地 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://www.mori.art.museum/
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