インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
【注意】新型コロナウィルス感染防止にともない、展覧会・イベントは中止になる場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。[休館情報はこちら]
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  武蔵府中・炎の油画家5人展 ─ 反町博彦・大森朔衞・高森明・戸嶋靖昌・保多棟人

武蔵府中・炎の油画家5人展 ─ 反町博彦・大森朔衞・高森明・戸嶋靖昌・保多棟人

■画布に込められた5つの魂
【会期終了】 「炎の画家」は、ゴッホのみに非ず。自らの魂を込めてキャンバスに創造の炎をぶつけているのは、郷土の作家も同様です。府中近郊で活躍した5人の油彩画家を紹介する企画展が、府中市美術館で開催中です。
会場では5人の作家をひとりづつ紹介、まず高森明(1929-)からです。

函館で魚商店に生まれた高森。少年時代に北海道新聞の似顔絵コンテストで一等となった事をきっかけに、絵の道を求めて上京。当初から府中に居を構え、現在まで府中在住です(5人のうち、高森だけが現役の作家です)。

長く独立美術協会で活躍している高森。会場には家業で馴染み深い魚をテーマにした静物画や、大きく形が歪んだ風景画などが並びます。近年取り組んでいるのは、沈んだ色彩の裸婦像。どっしりとした腰まわりに、強い生命力が宿ります。


高森明の作品

続いて香川・小豆島出身の大森朔衞(1919-2001)。召集されたスマトラ島で敗戦の報を受け自決を図りましたが、戦友の発見で一命をとりとめたという壮絶な過去を持っています。過酷な人生の運命に対し、むしろ飄々とした詩的世界を構築した大森の創造力もまた、強い魂の炎といえるだろう。

復員したものの、それまでの作品は戦災で焼失。一から再出発を図り、行動美術協会などで作品を発表。武蔵野美術大学でも教鞭をふるい、20年に渡って多くの学生を指導しました。府中には結婚を期に転居。その後は生涯にわたって府中に住み続け、府中市美術館が建設される際にも美術館建設検討委員会で活躍しました。

「具象と抽象の間を行ったり来たりしながら制作している」と言う大森。表現は誌的で穏やかですが、強固な意志も感じます。


大森朔衞の作品

戸嶋靖昌(1934-2006)は、武蔵野美術学校(現武蔵野美術館大学)で麻生三郎らに師事。40代でスペインに渡り、約四半世紀を過ごした後に、帰国後は府中市に隣接する稲城市で制作しました。

知名度が高いとはいえない戸嶋ですが、キャンバスに塗り込められたような人物像は、強烈な存在感。黒い塊の中から滲むように迫ってきます。戸嶋は食には興味が無く、素うどんばかりを食べていたという変わったエピソードも伝わります。


戸嶋靖昌の作品

保多棟人(1947-1981)も麻生三郎の門下。肉体を温かくとらえた自画像や裸婦、土地開発の凶暴さを暴く風景画、そして現在も府中に残る砂利採掘場などに非凡な才能を発揮しましたが、海難事故のため33歳で夭折。残された作品は多くありません。

保多は、多摩市にある天然記念物「平久保(ビリクボ)の椎」を繰り返し描いています。風を孕むと大きく揺れながらも、堂々とそこに在る巨木。セザンヌが繰り返し描いた山に例え、友人には「おれのサント・ヴィクトワール山だ」と紹介していたそうです。「生命が噴水のように吹き上げらる巨木のたくましさ」を感じます。


保多棟人の作品

反町博彦(1911-2009)は高崎市出身。上京後、川端画学校・多摩造形専門学校で学び、光風会展で活躍しました。府中では戦後すぐに油彩画創作の若葉会を設立。府中市民への油彩画指導に注力しました。

個性的な尖った筆線で、画面を構成していく反町。後年はかなり視力が衰えましたが、スポットライトをキャンバスに近づけて描き続け、ハンデキャップを感じさせない作品を晩年まで描きました。


反町博彦の作品

今回の5人はいずれも油画家。鉱物を原料とした油絵具は長期にわたって色が変わらず、厚塗りも薄塗りも自在。「魂の炎」をぶつけるには最適な画材です。海外の著名作家でなくとも、画布に迸る情熱に偽りはありません。「絵の具だけで絵は描けない。炎のような画家の個性的な情熱が必要」。5つの個性をお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年6月11日 ]

TOKYO美術館2015-2016TOKYO美術館2015-2016

 

エイ出版社
¥ 999

 
会場府中市美術館
開催期間2015年5月6日(水)~7月5日(日)
所在地 東京都府中市浅間町1-3
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
展覧会詳細へ 武蔵府中・炎の油画家5人展 ─ 反町博彦・大森朔衞・高森明・戸嶋靖昌・保多棟人 詳細情報
新型コロナウイルス特集 with corona after corona
新型コロナウイルス特集 美術館・博物館・ミュージアムの休館・再開情報(毎日更新)
新型コロナウイルス特集 開幕延期・中止になった展覧会 会場レポート
新型コロナウイルス特集 会期が変更された2020年注目の展覧会
新型コロナウイルス特集 再開したミュージアムで始まった展覧会
取材レポート
泰巖歴史美術館がオープン'
泰巖歴史美術館
国立新美術館「古典×現代2020」'
古典×現代2020
エリアレポート 豊田市美術館「久門 剛史 - らせんの練習」
[エリアレポート]
久門剛史展
東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ」'
ピーター・ドイグ
国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」'
ロンドンナショナル
エリアレポート 愛知県陶磁美術館「異才 辻晉堂の陶彫」
[エリアレポート]
辻晉堂の陶彫
エリアレポート 茨城県陶芸美術館「幻の横浜焼・東京焼」
[エリアレポート]
幻の横浜焼・東京焼
エリアレポート 京都市京セラ美術館がオープン
[エリアレポート]
京セラ美術館
エリアレポート ふじのくに地球環境史ミュージアム「消えゆく隣人」
[エリアレポート]
消えゆく隣人
足立美術館に「魯山人館」がオープン'
魯山人館オープン
クラシックホテル展
クラシックホテル
アソビル「バンクシー展
バンクシー
岡田美術館「生誕260年記念 北斎の肉筆画
北斎の肉筆画
三菱一号館美術館「画家が見たこども」'
画家が見たこども
エリアレポート 静岡県立美術館「開校100年 きたれ、バウハウス」
[エリアレポート]
きたれ、バウハウス
太田記念美術館「月岡芳年
月岡芳年
エリアレポート 東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」
[エリアレポート]
ピーター・ドイグ
エリアレポート 細見美術館「飄々表具 ー 杉本博司の表具表現世界 ー」
[エリアレポート]
飄々表具 杉本博司
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ハマスホイとデンマーク絵画 写真展「138億光年 宇宙の旅」 みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ ー 線の魔術 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
NHK大河ドラマ特別展「麒麟(きりん)がくる」 ランス絵画の精華 特別展『ねないこだれだ』誕生50周年記念 「せなけいこ展」 特別展 ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青社グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社