
特別展「法然と極楽浄土」記者発表会場より (左から)小泉惠英(九州国立博物館 副館長)、浅見龍介(東京国立博物館 副館長)、川中光教(浄土宗 宗務総長)、北風幸一(京都国立博物館 副館長)
法然(法然房源空、1133~1212)が浄土宗を開宗してから850年を迎えることを機に、浄土宗各派の至宝を紹介する展覧会が開催される。
法然は、中国唐代の阿弥陀仏信仰者である善導の教えに接し、阿弥陀仏の名号を称えることにより、誰もが等しく極楽浄土に往生することを説き、承安5年(1175)に浄土宗を開宗。
他の行を排して、ひたすら「南無阿弥陀仏」を称えれば極楽往生できる「専修念仏」の教えは、立場の異なる教団から批判されるも、その容易さから支持を集め、徳川将軍家の帰依によって大きく発展した。
展覧会は「法然とその時代」「阿弥陀仏の世界」「法然の弟子たちと法脈」「江戸時代の浄土宗」の4章構成で、多彩な文化財を一堂に会して紹介。
修理で肌裏紙を交換し、山水表現が鮮明になった国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」は、修理後初公開。
奈良・當麻寺の本尊で、横縦4メートルの大曼陀羅である国宝「綴織當麻曼陀羅」は、奈良県外では初公開となる。
特別展「法然と極楽浄土」は、3つの国立博物館を巡回。東京国立博物館 平成館で2024年4月16日(火)〜6月9日(日)、京都国立博物館 平成知新館で2024年10月8日(火)〜12月1日(日)、九州国立博物館で2025年10月7日(火)〜11月30日(日)に開催。

特別展「法然と極楽浄土」