
アーティゾン美術館「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着」会場より(左から)山城知佳子、志賀理江子
アーティゾン美術館が所蔵する石橋財団コレクションと現代のアーティストの共演を通じ、美術の新たな可能性を探る展覧会シリーズ「ジャム・セッション」の第6弾が開催される。
今回のアーティストは、沖縄と東北という異なる土地に根ざし、歴史や記憶に向き合い続けてきた映像作家・山城知佳子と写真家・志賀理江子。
現代社会では、災害や社会構造の変化を背景に、地域や文化の間に潜む断絶や、共有されていた記憶の風化が進んでいる。特に日本では、震災や戦争の記憶が薄れ、中心と周縁のあいだに見えにくい分断が広がりつつある。
本展では、そうした現代的課題を踏まえ、「中心と周縁」「土地と記憶」というテーマをあらためて見つめ直す。
山城は、沖縄、パラオ、東京大空襲の記憶を映像で結び、語りや歌、祈りを交錯させたインスタレーションを制作。志賀は、東北・三陸の海から丘(陸)への物流を「人間の作る道」として捉え、人間社会の構造や精神を批評的に描き出す。
両作家による新作と、彼女たちが選んだ石橋財団コレクションの作品とを組み合わせ、歴史と記憶、個と共同体の関係を空間全体で探っていく。
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着」は、アーティゾン美術館で2025年10月11日(土)~2026年1月12日(月・祝)に開催。観覧料はウェブ予約チケット1,200円など。

アーティゾン美術館「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着」会場