
展覧会担当の瀬谷愛氏(東京国立博物館 保存修復室長)
法隆寺(奈良県)金堂壁画の模写や、国宝・百済観音など金堂ゆかりの諸仏を紹介する展覧会が東京で開催される事となり、都内で記者発表が行われた。
世界遺産・法隆寺の西院伽藍の中心をなす金堂は、世界最古の木造建築。内部には約1300年前の飛鳥時代に描かれた12面の壁画があったが、昭和24年の火災で大半が焼損。文化財保護法ができるきっかけとなった。
壁画は東洋仏教絵画の白眉で、焼損前に数々の模写が描かれたほか、ガラス乾板による写真撮影も行われており、その威容が現在まで伝えられている。
展覧会では、焼損前の原寸大の模写や、焼損後に安田靫彦や前田青邨らが手掛けた模写事業を紹介する。
同時に、金堂ゆかりの諸仏も出展。1997年にはルーブル美術館で公開された国宝「観音菩薩立像(通称・百済観音)」が、23年ぶりに東京で公開される。
展覧会の目的について、担当の瀬谷愛氏(東京国立博物館 保存修復室長)は「文化財保護活動と、模写は創造の基礎である事を伝えたい」と語った。
特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」は東京国立博物館 本館 特別4・5室で、2020年3月15日(金)~5月10日(日)に開催。観覧料は当日券が一般 1,200円など。100円引きの前売り券は2020年1月7日(火)から発売。
なお、この日の記者発表で、海洋堂による法隆寺公認「国宝・百済観音 フィギュア」が製作される事も発表された。詳細は後日発表される。

法隆寺金堂壁画(摸本) 第1号壁 釈迦浄土図 桜井香雲摸 明治17年(1884)頃 東京国立博物館蔵 前期(3/13~4/12)展示

国宝 観音菩薩立像(百済観音) 飛鳥時代・7世紀 法隆寺蔵 通期 写真飛鳥園

参考 1949年 焼けた金堂壁画に合掌する佐伯定胤・法隆寺貫主
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特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」 公式サイト