左から、さいたま市岩槻人形博物館の林宏一館長、評論家の山田五郎氏、大妻女子大学教授の是澤博昭氏
日本有数の人形産地であるさいたま市岩槻にオープンする「さいたま市岩槻人形博物館」について、2019年11月25日(月)、同市でプレス発表が行われた。
人形をテーマにした公立の博物館としては、全国で初めて設けられる同館は、鉄筋コンクリート造の1階建て。延床面積は2,029.07㎡。
立地は旧岩槻区役所の跡地で、「和」のおもむきを基調に、内部の活動が見える解放感のある設えになっている。
施設はさいたま市で初めてとなるDB(デザインビルド)方式で整備され、基本設計は(株)東畑建築事務所、実施設計・施工は戸田・松永特定共同企業体、展示設計・製作は(株)丹青社が担当した。
コレクションの柱は、日本画家で人形玩具研究家の西澤笛畝(1889~1965)が収集した日本と世界の人形・玩具。さらに浅原革世コレクション等も加え、開館当初から充実したコレクションを所蔵。年に4回の企画展を予定している。
また博物館には修復部門も設置。脆弱な人形を修復して展示するとともに、修復技術の体系化も目指す。初年度の来館者数目標は7万4,000人。
この日の発表会では、評論家の山田五郎氏、人形文化の研究の第一人者で大妻女子大学教授の是澤博昭氏、さいたま市岩槻人形博物館の林宏一館長によるトークセッションも開催。
日本の人形の怖さや、感情が入り込む「隙」などについてトークを繰り広げた後、「ものを見せるだけではなく、体験や参加もできる博物館にして欲しい」(山田氏)、「人形は身近にありすぎて気付かれなかったアート。日本文化の特異性を発信できる基地に」(是澤教授)、「人形を多角的にとらえて、愛好家だけではなく、これからの可能性も広げていければ」(林館長)と博物館への思いを語った。
さいたま市岩槻人形博物館は2020年2月22日(土)開館。観覧料は一般 300円など。月曜休館(2/24は開館)。
さいたま市岩槻人形博物館 外観
有職雛(ゆうそくびな) 時代:江戸時代 さいたま市岩槻人形博物館蔵
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さいたま市岩槻人形博物館 公式サイト