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    レポート
    特別展「縄文―1万年の美の鼓動」
    東京国立博物館 | 東京都
    日本のものづくりの原点
    現在の日本に近い環境が整った約1万3000年前に始まった縄文時代。環境に適合した暮らしの中で、世界でも類をみない独創的な美が生まれました。日本のものづくりの原点といえる「縄文の美」に焦点を当てた展覧会が、東京国立博物館で開催中です。
    (手前)国宝《土偶 中空土偶》北海道函館市 著保内野遺跡出土 函館市蔵(函館市縄文文化交流センター保管)
    (手前)重要文化財《深鉢形土器》山梨県甲州市 殿林遺跡出土 山梨県立考古博物館蔵
    《深鉢形土器》群馬県深川市 道訓前遺跡出土 群馬・渋川市教育委員会蔵
    重要文化財《壺形土器》青森県十和田市滝沢川原出土 文化庁蔵
    重要文化財《ハート形土偶》群馬県東東町郷原出土
    重要文化材《遮光器土偶》青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 東京国立博物館蔵
    重要文化材《人形装飾付有孔鍔付土器》山梨県南アルプス市 鋳物師屋遺跡出土 山梨・南アルプス市教育委員会蔵
    (左から)《人形装飾付深鉢形土器》 / 《顔面装飾付深鉢形土器》ともに 埼玉県さいたま市 馬場小室山遺跡出土 さいたま市立浦和博物館蔵
    (左手前から)《顔面把手付深鉢形土器》山梨県北杜市 津金御所前遺跡出土 山梨・北杜市教育委員会蔵 / 《顔面把手付深鉢形土器》長野県伊那市 月見松遺跡出土 長野・伊那市蔵
    「かわいい」「かっこいい」などのキーワードとともに、近年、再び注目を集めている「縄文の美」。東京国立博物館では、総合文化展(常設展)でもさまざまな縄文土器を展示していますが、本展では大規模な企画展で、縄文の魅力を掘り下げていきます。

    会場は、道具として表現された美を紹介する第1章「暮らしの美」から。漆で描かれた文様、機能的な銛頭(モリの先端部分)、貝でつくられたブレスレットなどが並びます。

    第2章「美のうねり」から、いよいよ本格的な縄文土器が登場。露出展示もあって、見ごたえがあります。

    縄文時代の名前の由来になった縄目文様は、縄文時代草創期後半から見られるようになり、中期になると立体的な装飾に。後期・晩期には沈線(ちんせん:掘った線)で描く文様が増えます。

    世界史の中で縄文時代を考察するのが、第3章「美の競演」。縄文文化は世界最古級の土器で、世界の先史土器の中でも群を抜く造形美でもあります。


    第1章「暮らしの美」、第2章「美のうねり」、第3章「美の競演」

    展示室2は、本展イチオシの国宝展示である第4章「縄文美の最たるもの」から。縄文時代の遺跡は9万件以上ありますが、出土品で国宝に指定されているのはわずか6件。その6件が初めて一堂に会します。報道内覧会時に展示されていたのは4件でしたが、それぞれがとても力強い造形。7月31日(火)からは残る2件も展示され、6件揃い踏みとなります。

    第5章「祈りの美、祈りの形」は、命を育む女性をかたどった土偶や、男性を象徴する石棒など。白をベースに炎が燃えるような演出の美しい会場デザインに、土器や土偶が映えます。有名な《ハート形土偶》《遮光器土偶》(ともに重要文化財)も、ここで展示されています。

    なかには、母体から新生児が生まれる瞬間を表したともいわれる土器も。現在よりずっと困難だった考えられる、縄文時代の出産。それだけに、誕生の喜びもひとしおだったのでしょうか。

    第6章は「新たにつむがれる美」。柳宗悦、芹沢銈介らに愛された土偶らが紹介されています。縄文の魅力を強く発信したのが、「芸術は爆発だ」の岡本太郎。太郎が東京国立博物館で出会い、衝撃を受けた縄文土器も展示されています。


    第4章「縄文美の最たるもの」、第5章「祈りの美、祈りの形」、第6章「新たにつむがれる美」

    はるか昔の私たちの先祖が生み出した、縄文美の世界。「美しいものを求める」という行為が、極めて原始的な感覚である事にも驚かされます。

    展示されている土器や土偶が出土したのは北海道から沖縄までと実に広範囲で、私の地元から見つかったものも展示されているなど、意外な発見もありました。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年7月2日 ]


    料金一般当日:1,600円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2018年7月3日(火)~9月2日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~18:00
    ※総合文化展は17:00まで
    ※時期により変動あり
    いずれも入館は閉館の30分前まで
    休館日
    月曜日(ただし7月16日(月・祝)、8月13日(月)は開館)、7月17日(火)
    住所
    東京都台東区上野公園13-9
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://jomon-kodo.jp/
    料金
    一般 1,600(1,300)円/大学生 1,200(900)円/高校生 900(600)円/中学生以下 無料

    ※( )内は20名以上の団体料金
    ※障がい者とその介護者1名は無料(要証明書提示)

    【前売券料金】
    一般 1,400円/大学生 1,000円/高校生 700円

    ※東京国立博物館正門、各種プレイガイドにて4月3日(火)~7月2日(月)まで販売
    展覧会詳細 特別展「縄文―1万年の美の鼓動」 詳細情報
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