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レポート
日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」
東京国立博物館 | 東京都
テーマはずばり「リアル三国志」
後漢の皇帝を操った奸雄の曹操。重さ50キロの青龍偃月刀を振り回す関羽。際立ったキャラ立ちで人気の三国志ですが、真の姿はだいぶ異なります。ずばり「リアル三国志」を合言葉に、その実像に迫る展覧会が、東京国立博物館 平成館で開催中です。
《関帝廟壁画》清時代・18世紀 内蒙古博物院蔵
《関羽・張飛像》清時代・19世紀 天津博物館蔵
《儀仗俑》後漢時代・2~3世紀 甘粛省博物館蔵
(左奥)一級文物《四層穀倉楼》後漢時代・2世紀 / (右手前)一級文物《五層穀倉楼》後漢時代・2世紀 ともに焦作市博物館蔵
(左から)《鉤鑲》後漢~三国時代(蜀)・3世紀 / 《戟》後漢~三国時代(蜀)・2~3世紀 ともに綿陽市博物館蔵
《俑》三国時代(呉)・3世紀 武漢博物館蔵
一級文物《罐》後漢~三国時代(魏)・3世紀 河南省文物考古研究院蔵
(左奥)《虎形棺座》三国時代(呉)・3世紀 / (右側奥)一級文物《牛車》三国時代(呉)・3世紀 / (右手前)《筆、書刀》三国時代(呉)・3世紀 すべて南京市博物総館蔵

155年の曹操誕生から、280年の西晋による統一までが、三国志の時代。現在でも小説、漫画、映画、ゲームなどさまざまな分野で描かれ、中国と日本の両国で高い人気を誇ります。


ただ、これらはすべて「三国志演義」がベースです。そもそも「演義」が書かれたのは、ざっと正史の1000年後。史実との乖離は明らかです。


「語り多く物少なし」といわれる三国志ですが、近年は研究も進み、さまざまな事実が判明しつつあります。展覧会は、リアルな三国志の姿がターゲット。挑戦的な試みといえます。


会場はプロローグ「伝説のなかの三国志」から。「演義」によると、関羽の身長は2メートル超。展覧会のメインビジュアルになっている《関羽像》はこの大きさとほぼ等しく、堂々としたイケメン関羽です。


第1章は「曹操・劉備・孫権 ― 英傑たちのルーツ」。曹操は、祖父が皇帝に仕えた宦官、父は大臣という有力一族でした。孫権の先祖は戦国時代の軍略家です。


劉備の先祖は前漢・武帝の異母兄弟の中山靖王劉勝です。そのため、劉備は漢王朝の正当な後継者を自認しました。劉勝の墓からは、豪華な出土品が見つかっています。



第2章「漢王朝の光と影」。漢は400年続きましたが、黄巾の乱で王朝は弱体化。地方の豪族が力を持ち、中でも董卓は専横の限りを尽くしました。武装した騎兵が並ぶ《儀仗俑》は、董卓ゆかりの将軍との関連が指摘されています。


第3章は「魏・蜀・呉 ― 三国の鼎立」。さまざまな武器を駆使して、激しく対立した三国。なかでも弩(引き金がついた弓矢)は殺傷力が高く、重要な武器でした。展示室は無数の矢があしらわれた、楽しい演出です。


第4章は「三国歴訪」。黄河流域の魏、長江上流の蜀、長江中・下流の平野部と沿岸域の呉。広大な中国は地域で風土が異なり、それぞれ特徴的な文物が出土しています。


第5章がメインといえる「曹操高陵と三国大墓」。河南省安陽市で発掘された西高穴二号墓からは「魏武王」と記された副葬品が発見され、曹操の墓である事が確実になりました。


墓室内は前室と後室があり、それぞれ四角錘状の天井。出土品の《罐》は、白化粧に透明釉をかけて高火度で焼き上げた白磁です。これまでの記録を300年以上さかのぼる、最古と目される白磁になります。


ただ、全体的に出土品は質素。曹操は遺言で葬儀の簡素化を命じており、その教えが守られていた事になります。奸雄として描かれる事が多い曹操の、意外な一面です。


エピローグは「三国の終焉 ― 天下は誰の手に」。三国を束ねたのは、魏の武将だった司馬氏一族。魏の第5代皇帝・曹奐(曹操の孫)を退位させた司馬炎が西晋を建国し、三国志時代に終止符が打たれました。


展覧会は東京展の後、九州国立博物館に巡回します(10/1〜1/5)。


[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年7月8日 ]


※特別展「三国志」報道内覧会で取材。一般のご来場者によるフラッシュ、三脚の利用、また、動画の撮影は禁じられています。


三国志 Three Kingdoms Unveiling the Story特別展「三国志」公式図録 三国志 Three Kingdoms Unveiling the Story

東京国立博物館(著),九州国立博物館(著)

美術出版社
¥ 2,500

会場
会期
2019年7月9日(火)~9月16日(月・祝)
会期終了
開館時間
9:30~18:00
※総合文化展は17:00まで
※時期により変動あり
いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(※ただし7月15日、8月12日、9月16日は開館)、7月16日(火)
住所
東京都台東区上野公園13-9
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト https://sangokushi2019.exhibit.jp/
料金
一般 1,600(1,300)円 / 大学生 1,200(900)円 / 高校生 900(600)円 / 中学生以下 無料

※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者とその介護者1名は無料(要証明)

【前売券】
一般 1,400円 / 大学生 1,000円 / 高校生 700円

※前売券販売は、4月9日(火)から7月8日(月)まで
※販売場所は、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館30分前まで)、展覧会公式サイト、各種プレイガイドにて販売

【早割「3594(さんごくし)」3網セット前売券】
3枚つづりで3,594円

※販売期間は、3月9日(土)~4月8日(月)まで
※販売場所は、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館30分前まで)、展覧会公式サイト、各種プレイガイドにて販売
展覧会詳細 特別展「三国志」 詳細情報
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