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    レポート
    ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
    国立西洋美術館 | 東京都
    これまでまとまった数の作品を貸し出していなかった同館から、61点が来日
    新型コロナの影響で開幕が延期されていた注目展、3カ月遅れてスタート
    目玉はファン・ゴッホ《ひまわり》、最初に描いた4枚の中の1枚

    1824年に設立されたロンドン・ナショナル・ギャラリー。本展は同館約200年の歴史において、初めて館外で開催される大規模な所蔵作品展という事になります。

    会場は7章構成で、1章「イタリア・ルネサンス絵画の収集」から。16世紀のフィレンツェ、ローマ、ヴェネツィア絵画は、同館の中核分野です。

    ティツィアーノは16世紀ヴェネツィア派の大御所。《ノリ・メ・タンゲレ》は復活したキリストがマグダラのマリアに「我に触れるな(ノリ・メ・タンゲレ)」と諭した場面です。



    ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》1670-72年頃


    2章は「オランダ絵画の黄金時代」。オランダは17世紀、英国は19世紀と、時代は異なりますがともに海洋交易大国。地理的にも近いオランダの文化は、英国の人々にとって親しみやすいものでした。

    ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》は、本展注目の一点。日常の一瞬を切り取った風俗画を得意としたフェルメール 。主役の女性がこちらを振り向いているのは、客人が到着したのでしょうか。



    (左から)ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《ノリ・メ・タンゲレ》1514年頃 / カルロ・クリヴェッリ《聖エミディウスを伴う受胎告知》1486年


    この章にはもう一点の注目作品、レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《34歳の自画像》も。数多くの自画像を描いたレンブラント。名声が最も高まった時期の本作は、落ち着いて自信溢れる表情が印象的です。



    レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《34歳の自画像》1640年


    3章は「ヴァン・ダイクとイギリス肖像画」。国王チャールズ1世に招かれ、17世紀前半に英国で活躍したフランドル人のヴァン・ダイク。後の時代のレノルズやゲインズバラたちは、ヴァン・ダイクを引き継ぐかたちで、格調高い肖像画を描きました。

    ロイヤル・アカデミー初代院長を務めたジョシュア・レノルズは、18世紀の英国を代表する肖像画家。《レディ・コーバーンと3人の息子》は、気品と愛らしさを兼ね備えた、レノルズならではの作品です。



    (左から)トマス・ローレンス《シャーロット王妃》1789年 / トマス・ゲインズバラ《シドンズ夫人》1785年


    4章は「グランド・ツアー」。18世紀の英国では、上流階級の子息たちがイタリアを訪れることが流行。ヴェネツィアやローマの都市景観図が持ち帰られました。



    (左から)フランチェスコ・グアルディ《ヴェネツィア:サン・マルコ広場》1760年頃 / カナレット(本名ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)《イートン・カレッジ》1754年頃


    5章「スペイン絵画の発見」。19世紀初めのスペイン独立戦争に、ウェリントン公率いる英国軍が参戦。ベラスケスやスルバランなどがもたらされ、英国でのスペイン絵画は、ゆるぎない評価を確立しました。



    (左から)フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソ《喪服姿のスペイン王妃マリアナ》1666年 / ルカ・ジョルダーノ《ベラスケス礼賛》1692-1700年頃


    6章「風景画とピクチャレスク」。18世紀後半から英国では風景画が流行。不規則で荒々しい「絵のような(ピクチャレスク)」に、美が見出されました。

    ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーは、風景画家としてはもちろん、イギリス最大の画家といえるかもしれません。《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》は、ターナーの代表作のひとつです。



    ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》1829年


    最後は7章「イギリスにおけるフランス近代美術受容」。印象派やポスト印象派など、フランスで19世紀に進んだ絵画の改革が英国で受容されるのは、20世紀に入ってからです。



    (左から)クロード・モネ《睡蓮の池》1899年 / ポール・セザンヌ《ロザリオを持つ老女》1895-96年頃


    ドミニク・アングルは、新古典主義の継承者。《アンジェリカを救うルッジェーロ》は、ドガが所有していた作品。官能的な女性像は、いかにもアングルといった表現です。

    本展最大の注目が、フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》。ファン・ゴッホは生涯で7枚、花瓶に生けられたひまわりの絵を描いており、これは最初に描いた4枚の中の1枚です。



    フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》1888年


    著名美術館の名を冠した「〇〇美術館展」はしばしば開催されますが、正真正銘、歴史的といって良い展覧会です。東京展の後、大阪に巡回します(7/7~10/18、国立国際美術館)。


    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年3月23日 ]


    ※開幕が延期となりました。開幕後も混雑対策のためチケットの販売方法や展示室への入場方法が変更となる場合がございます。最新情報を展覧会公式サイト(https://artexhibition.jp/london2020/)で必ずご確認ください。


    会場
    国立西洋美術館
    会期
    2020年6月18日(木)〜10月18日(日)
    開催中[あと102日]
    開館時間
    通常=9:30~17:30
    毎週金曜日=9:30~20:00
    (入館は閉館30分前まで)

    ※開館日時等は変更になる可能性があります。最新の情報は美術館ホームページをご確認ください。
    月曜日(祝日の場合その翌日)、年末年始(12/28~1/1)
    住所 〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト https://artexhibition.jp/london2020/
    料金
    一般 1,700(1,500)円 / 大学生 1,100(1,000)円 / 高校生 700(600)円

    ※()内は20名以上の団体料金
    ※中学生以下は無料。
    ※心身に障害のある方と付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)。
    展示会詳細 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 詳細情報
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