展覧会概要
名古屋市美術館で、「印象派からその先へ-世界に誇る吉野石膏コレクション」展が開催されています。
モネ、ルノワール、ドガ、ファン・ゴッホ、ピカソ、シャガールなどの名品、72点が展示されています。
聞くところでは、吉野石膏コレクションは質量ともに国内有数のコレクションでありながら、中部地方でまとめて紹介されるのは初めてだそうです。
作品について
関連イベントの記念講演会(講師は、公益財団法人吉野石膏美術振興財団学芸員、佐藤菜々子氏)で、展覧会を楽しむコツとして「もし、展示作品を譲っていただくとしたら、どの作品を選ぶか?と考えながら見ると、作品が身近に感じられる」とアドバイスがあったので、自宅に飾る作品を選ぶつもりで展示室を見て回ることにしました。
(紹介する作品は、すべて吉野石膏コレクション)
玄関に飾りたいのはコレ。
クロード・モネ 《ヴェトゥイユ、サン=マルタン島からの眺め》1880年
左下の草むらから右斜め上に点々とつながるオレンジをたどると、二人の人物に気がつきました。
パラソルを差し、そよ風が心地よい水辺を散歩しているようです。
玄関でこの作品を目にすれば、気の重い会議のある日でも穏やかな気持ちで出かけることができそうです。
居間に飾るならコレ。
ポール・セザンヌ 《マルセイユ湾、レスタック近郊のサンタンリ村を望む》1877-79年
画面右下に大きく海が描かれ、中央あたりの煙突からは煙が出ています。
左下のゆるやかなS字カーブは、向こう側が透けているので、防風・防砂ネットでしょうか。
海辺特有の強い日差しと、潮の香りを感じます。
とても気に入ったのですが、季節が変わって、雪の頃にもこの作品を飾っておくか、少々迷うところです。
飾る部屋はないけれど、コレも欲しい。
ピエール=オーギュスト・ルノワール《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》1887年
エドガー・ドガ 《踊り子たち (ピンクと緑)》 1894年
どちらも、パステルで描かれています。油彩よりも、色彩が柔らかく、全体的に軽やかな印象を受けました。
《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》を見ていると、かわいらしい表情の中にも、モデルを務める緊張感がうかがえます。
一方、《踊り子たち (ピンクと緑)》では、まさにスポットライトの中に出ようとしている踊り子の高揚感が伝わってきます。
緑色で描かれた踊り子の影を見て、唐突にブラッドベリィの「緑の影、白い鯨」という小説のことを思い出しました。
閑話休題
名古屋市美術館にて
展覧会初日の4月9日、「印象派からその先へ」展入場者、先着50名に山形県のブランド米「つや姫」がプレゼントされたそうです。
今展は、名古屋市美術館の後、兵庫県立美術館(6月1日~7月21日)、三菱一号館美術館(10月30日~2020年1月20日)に巡回します。
それぞれの美術館でも何かサプライズがあるとうれしいと思います。
以上
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ひろ.すぎやま
近現代美術、演劇、映画をよく見ます。
作品を見る時は、先入観を避けるため、解説などは後から読むようにしています。
折々に、東海エリアの展覧会をレポートしますので、出かけていただく契機になれば幸いです。
名古屋市美術館協力会会員、あいちトリエンナーレボランティア。
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