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レポート
プラハ国立美術工芸博物館所蔵 耀きの静と動 ボヘミアン・グラス
サントリー美術館 | 東京都
欧州を席巻した煌めき
透明度が高く、水晶のような輝きが魅力的なボヘミアン・グラス。15世紀から現代までのボヘミアン・グラスの展開を辿る企画展が、サントリー美術館で開催中です。
(右)《最後の晩餐文蓋付ゴブレット》
(左から)《栓付瓶》 / 《脚付鉢》 / 《蓋付ゴブレット》 / 《蓋付ゴブレット》
(左奥から)《ガラス絵「洗礼者聖ヨハネの斬首」》 / 《ガラス絵「ライオンの穴の中のダニエル」》 / 《ガラス絵「サウルとエンドルの口寄せ女」》
(左から)《善きサマリア人文蓋付ゴブレット》 / 《小椅子の聖母文ビーカー》 / 《キリスト復活文蓋付ゴブレット》
(左から)《風俗画文花瓶》 / 《シノワズリー文ミルクピッチャー》 / 《口すすぎ碗(ムントベッヒャー)》 / 《蓋付箱》
(前列左から)《花器》 / 《蓋付ゴブレット》 / 《花器「カナーン」》
(右手前)《レスラー》
(右手前から)《花器「MS-3009」》 / 《額に白斑のある黒馬》 / 《夜の花》
会場
現在のチェコ共和国周辺でボヘミアン・グラスの製造が始まったのは13世紀頃。18世紀には欧州のガラス市場を席巻し、19世紀には色彩豊かに変貌。今なお、進化し続けています。

ガラス史を辿る展覧会では必ず紹介されるボヘミアン・グラスですが、ボヘミアン・グラスだけに焦点を絞った企画展は久しぶり。1994年に百貨店で「ボヘミアン・グラス 600年の輝き」展が開催されて以来、実に20年ぶりの開催となりました。全170件、プラハ国立美術工芸博物館の所蔵品で構成されます。


会場入口から

会場は歴史順の7章構成。ここではまず3章「バロックとロココ:1650~1790年頃」をご紹介しましょう。

ボヘミアのガラス製造にとって大きな転機となったのが、17世紀後半の「カリ・クリスタル(通称ボヘミアン・クリスタル)」の開発。原料にカリ(炭酸カリウム)を含むこのガラス素地は、透明度が高く、屈折率が大きい事が特徴です。カットとエングレーヴィング(ガラスに工具で傷をつけて絵を描く加工)で煌びやかに輝くことから、それまでに無かった新しい造形が次々に生み出されていきました。


3章「バロックとロココ:1650~1790年頃」

ガラス展ならではの涼やかな会場を進むと、階段吹抜はまるで祭壇のよう。壁面に掲げられている写真は、プラハ国立美術工芸博物館の階段室にあるステンドグラスです。

6章は「アール・ヌーヴォー、アール・デコ、機能主義:1890年頃 ─ 第二次世界大戦」。時代の変遷によりデザインの流行も変わる中、ボヘミアン・グラスも多彩な表情を見せていきます。


6章は「アール・ヌーヴォー、アール・デコ、機能主義:1890年頃 ─ 第二次世界大戦」

7章は「1945年から現代まで」。戦後チェコスロヴァキアを掌握した共産党は、外貨収入とプロパガンダの両面でガラス産業を重視し、多くの資金を投入しました。ボヘミアン・グラスは主要国際展でも結果を残し、幸いにも高い水準が守られる事となりました。

実は現代のボヘミアン・グラスは、日本とも深い関係が。特に富山市の公立専門教育機関である「富山ガラス造形研究所」は継続的にチェコ人アーティストと交流しており、会場には日本滞在中に制作された作品も紹介されます。


7章「1945年から現代まで」

会期中の8月12日(火)には、夏休み特別イベント「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」も開催。休館日を利用して「こども専用びじゅつかん」とし、小中学生とその保護者の方は無料で入館いただけます。詳しくは公式サイトでご確認ください。

東京展の後は、少し間が空きますが愛知と兵庫に巡回。愛知県陶磁美術館で2015年4月11日(土)~5月24日(日)、神戸市立博物館で2015年6月6日(土)~8月30日(日)に開催されます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年8月1日 ]


料金一般当日:1,300円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場
会期
2014年8月2日(土)~9月28日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00
休館日
火曜日休館 ただし9月23日(火)は開館
住所
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3F
電話 03-3479-8600
公式サイト http://suntory.jp/SMA/
料金
一般 1,300円/大学・高校生 1,000円
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
展覧会詳細 プラハ国立美術工芸博物館所蔵 耀きの静と動 ボヘミアン・グラス 詳細情報
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