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    レポート
    春画展 ─ shunga ─ (後期)
    永青文庫 | 東京都
    多くを展示替え、後期展も大注目
    さまざまなメディアで話題沸騰の春画展は、11月3日(火・祝)から後期展示。多くの作品が入れ替わったほか、前後期通して出展されている絵巻・版本も、多くが巻替え・頁替えがなされました。ここまでの状況も含めて、ご案内します。
    勝川春章《会本拝開夜婦子取》
    絵師不詳《稚児之草紙》大英博物館
    絵師不詳《欠題春画絵巻六図》大英博物館
    歌川国貞《艶紫娯拾餘帖》永青文庫
    歌川国貞《艶紫娯拾餘帖》永青文庫
    歌川国貞《艶紫娯拾餘帖》永青文庫
    (左から)絵師不詳《豆判 役者絵春画》 / 絵師不詳《豆判絵暦空摺春画》
    会場入口

    ← 前期展の取材レポート


    前期展だけで9万人以上が訪れた春画展。国立クラスの美術館ならともかく、決して広いとはいえない永青文庫としては驚くべき数字です。館内は作品が全く見えない、という事こそありませんが、列が2重・3重になる混雑ぶり。週末は入館を制限する事もあるので、都合がつくならまず平日の来館をお勧めいたします。


    来館者は「女性が多い」という話もしばしば聞きますが、実際はほぼ半々(ですので、男性ひとりでも安心してご覧ください)。傾向としては、週末は女性の比率がやや高く、平日は男性の比率が高いそうです。


    来館者が多い事もありますが、一般的な美術展と比べると、グループ同士の話し声も多く感じる本展。アクロバティックな肢体や、あり得ないほど誇張された表現に対して、笑い声も聴こえてきます。


    後期に登場した作品としては、肉筆では鳥文斎栄之の《源氏物語春画巻》と《四季競艶図》が見事。袋に入ったままで事に及ぶ《袋法師絵詞》もユニークです。版画では医学書のパロディー《艶道日夜女宝記》や、影絵で描いた珍しい《華月帖》も後期からの展示です。


    本格的な春画展は初開催という事もあり「ポルノではなくアートだ」「ユニークな‘笑い絵’だ」等々、会期の後半になっても、さまざまな報じられ方をしています。春画を持ち上げすぎる報道には若干違和感を感じますが、これだけ多彩な春画が一堂に会するのは、今後もなかなか難しいと思われます。まさに百聞は一見に如かず。春画の評価は、ご自身でどうぞ。


    そして、話題になっている展覧会のため、浮世絵をまとめて見る機会もこれが初めて、と言う方もいるかもしれません。お気に入りの春画を見つけたら、ぜひ絵師の名前を覚えておいてください。別の展覧会で、春画ではない浮世絵とも見比べていただければとも思います。


    なお12月5日(土)は「着物DAY」、着物を着て来場される方は男女を問わず入場料が800円になります。前期展の「着物DAY」では着物姿の方が約300名来場。女性に混じり、粋な男性の姿も見られたそうです。お持ちの方は、ぜひ男性もチャレンジしてみてください。


    また、閉幕直前の12月21日(月)は休館日の予定でしたが、好評につき開館する事も発表されています。


    ※やや過激な内容を含む写真は、別ページでご紹介しております。18歳未満の方はご遠慮ください。


    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年11月15日 ]


    春画入門春画入門

    車 浮代 (著)

    文藝春秋
    ¥ 972

    料金一般当日:1,500円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon


    ■春画展 に関するツイート


    会場
    会期
    2015年9月19日(土)~12月23日(水・祝)
    会期終了
    開館時間
    10:00~16:30(入館は16:00まで)
    休館日
    月曜日休館 ただし祝日の場合は開館
    住所
    東京都文京区目白台1-1-1
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.eiseibunko.com/shunga/
    料金
    大人 1,500円
    ※18歳未満は入館禁止のため、身分証明書をご用意ください
    展覧会詳細 「春画展 ─shunga─」 詳細情報
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