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    レポート
    ボッティチェリ展
    東京都美術館 | 東京都
    世界中から20点超が集結
    初期ルネサンスを代表する画家、サンドロ・ボッティチェリ(1444/45-1510)。現存する絵画は約100点、しかも繊細な板絵という事もあり、大きな展覧会が難しい画家のひとりですが、日伊国交樹立150周年を記念した特別展が実現しました。会場は東京都美術館です。
    サンドロ・ボッティチェリ《聖母子(書物の聖母)》ポルディ・ペッツォーリ美術館
    (左手前)ピエトロ・トッリジャーノ(帰属)《ロレンツォ・イル・マニーフィコの胸像》
    (左奥)アントニオ・デル・ポッライオーロ(本名アントニオ・ディ・ヤコボ・ダントニオ・ベンチ)《竜と戦う大天使ミカエル》 / (右手前)アントニオ・デル・ポッライオーロ《ヘラクレスとアンタイオス》
    サンドロ・ボッティチェリ《ラーマ家の東方三博士の礼拝》ウフィツィ美術館
    サンドロ・ボッティチェリ《美しきシモネッタの肖像》パラティーナ美術館
    サンドロ・ボッティチェリ《アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)》ウフィツィ美術館
    (左から)サンドロ・ボッティチェリと工房《聖母子と聖コスマス、聖ドミニクス、聖フランチェスコ、聖ラウレンティウス、洗礼者聖ヨハネ(トレッビオ祭壇画)》 / サンドロ・ボッティチェリと工房《王座の聖母子と聖セバスティアヌス、聖ラウレンティウス、福音書記者聖ヨハネ、聖ロクス》
    フィリッビーノ・リッピ《幼児キリストを礼拝する聖母》ウフィツィ美術館
    (左から)フィリッビーノ・リッピ《聖母子、洗礼者聖ヨハネと天使たち(コルシーニ家の円形画)》 / フィリッビーノ・リッピ《受胎告知の大天使ガブリエル》 / フィリッビーノ・リッピ《受胎告知の聖母マリア》
    2014年秋に「ウフィツィ美術館展 黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで」、2015年春にも「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」と、ボッティチェリの名を冠した展覧会が続いていますが、今回は過去最大規模。世界各地から20点を超えるボッティチェリ作品が集まった、華やかな展覧会となりました。

    構成としてはボッティチェリ作品は第3章ですが、冒頭に1点、ボッティチェリ作品を展示。フィレンツェのラーマ家からの注文で描かれた《ラーマ家の東方三博士の礼拝》です。

    ボッティチェリが描いた「東方三博士の礼拝」図としては、最も名高い作品。ピラミッド型の頂点に聖母子を配した、安定した構図です。画面右端のガウンの男はボッティチェリの自画像と考えられています。

    さらにこのフロアでは、15世紀フィレンツェの繁栄を紹介するメディチ家ゆかりの財宝や、ボッティチェリの師であるフィリッポ・リッピの作品などが紹介されます。


    会場入口から。冒頭に《ラーマ家の東方三博士の礼拝》が登場

    上階に上がると、本格的にボッティチェリ作品が登場。展覧会メインビジュアルの《聖母子(書物の聖母)》は、奥に展示されています。

    伏し目がちにイエスを見つめる聖母、愛らしいイエスの頬から顎にかけての繊細な表現は見事。500年以上前に描かれた作品ですが、驚くほど色彩は鮮やかです。金箔やラピスラズリなど高価な材料が使われている事から、重要な注文制作だったと考えられています。ミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館の所蔵、今回が初来日となります。


    サンドロ・ボッティチェリ《聖母子(書物の聖母)》ポルディ・ペッツォーリ美術館

    展覧会開催が発表された後に、急遽出品が決まったのが《アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)》。古代ギリシャの画家アペレスが描いたものの現存しない作品を、ボッティチェリが復元しようと描いたものです。

    誹謗中傷にあった人物の悲惨さを、寓意的に表現した作品。中央の美しい女性が「誹謗」で、後ろで仕える二人は「欺瞞」と「嫉妬」。髪を掴まれる男性が「無実」、右の男性「不正」に耳打ちをする「無知」と「猜疑」、一番左が「真実」です。多くの人物をダイナミックに構成するのは、ボッティチェリの真骨頂。こちらも日本初公開です。


    サンドロ・ボッティチェリ《アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)》ウフィツィ美術館

    現在では揺るぎない評価を得ているボッティチェリですが、存命中はその座を脅かすライバルもいました。最盛期にはボッティチェリより仕事の依頼が多かったその男は、フィリッピーノ・リッピ。ボッティチェリの師であるフィリッポ・リッピの息子で、ボッティチェリの元で修行を積んだ弟子でもありました。

    画業の初期はボッティチェリ風の表現が多かったものの、次第に独自の様式を確立。15世紀半ばから1504年に亡くなるまでは、イタリアで最も高い評価を得ていました。会場最後の第4章は、全てフィリッピーノ・リッピの作品です。


    第4章「フィリッピーノ・リッピ、ボッティチェリの弟子からライバルへ」

    長らく、Adobe Illustrator(パソコン用のドローイングソフト)のパッケージで親しまれたボッティチェリ。美術に詳しくない方でも、例のミラノ風ドリアの店で一度は目にしていると思います。「線の詩人」ともいわれる、繊細で優美な表現をお楽しみください。

    この冬の東京は、大規模な西洋絵画展が目白押し。本展と「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」、また本展と「特別展 レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の挑戦」で、半券提示で100円引きの相互割引も実施されています。ハシゴする方は、お忘れなく。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫、2016年1月15日 ]

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    ヤマザキ マリ (著)

    集英社
    ¥ 821

    料金一般当日:1,600円
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    ■東京都美術館 ボッティチェリ展 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2016年1月16日(土)~4月3日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:30
    休館日
    月曜日、3月22日(火) ※ただし、3月21日(月・休)、28日(月)は開室
    住所
    東京都台東区上野公園8-36
    電話 03-3823-6921(代表)
    公式サイト http://botticelli.jp/
    料金
    一般 1,600円 / 学生 1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円
    展覧会詳細 ボッティチェリ展 詳細情報
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