IM
    レポート
    国立新美術館10周年 ジャコメッティ展
    国立新美術館 | 東京都
    11年ぶりの大回顧展
    身体を線のように長く引き伸ばした彫刻で知られるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)。唯一無二のスタイルで、20世紀を代表する彫刻家とも称されています。代表的な彫刻をはじめ油彩、素描、版画など132点でその歩みを振り返る大回顧展が、国立新美術館で開催中です。
    「ヴェネツィアの女」シリーズ 1956年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス
    《大きな像(女:レオーニ)》1947年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス
    (左から)《キューブ》1934/35年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス / 《横たわる女》1929年 静岡県立美術館 / 《コンポジション》1927年 マーク・コレクション、パリ / 《女=スプーン》1926/27年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス
    《鼻》1947年 大阪新美術館建設準備室
    (手前)《大きな人物》1958年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス
    《猫》1951年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス
    《犬》1951年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス
    (左から)《歩く男Ⅰ》1960年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス / 《大きな女性立像Ⅱ》1960年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス / 《大きな頭部》1960年 マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、 サン=ポール・ド・ヴァンス
    (左写真)アトリエにて《歩く男》を制作するジャコメッティ 1959年 エルンスト・シャイデッガー撮影 *展示室内の風景
    スイスで生まれたジャコメッティ。父も画家で、幼い頃からデッサンを始めています。

    20代でパリに出た初期には、モデルと向き合う制作ではなく、記憶に基づいた制作に没頭。キュビスム、アフリカやオセアニアなどプリミティブな造形、そしてシュルレアリスムなどに感化された作品を手掛けています。

    父の死を境に「見ること」に回帰。以後、「見えるものを見えるままに」表現する事に挑み続ける事となります。


    1章「初期・キュビスム・シュルレアリスム」

    展覧会は細かく章が分かれており、全16章構成。基本的には時系列で並んでいます。

    世界3大ジャコメッティ・コレクションのひとつであるマーグ財団美術館の所蔵品が数多く出展されている本展ですが、一方で国内所蔵の作品も多数。ジャコメッティは日本人哲学者の矢内原伊作(1918-1989)と親交が深く、早くから日本で紹介されていた事もあり、国内にも多数のジャコメッティ作品があるのです。ジャコメッティのモデルもつとめた矢内原については、8章で紹介されています。

    ジャコメッティのモデルはほとんどが人間ですが、例外的に作られた《猫》と《犬》も展示。その造形は、やはりジャコメッティならでは、です。


    2章~12章

    展覧会の見せ場は後半です。13章は「ヴェネツィアの女」、1956年のヴェネツィア・ビエンナーレを機に制作された女性立像のシリーズです。いずれも100センチをやや上回る大きさで、胴と腕が一体化したものや、肉付けが比較的きちんと施されているものなど、一体一体は微妙に異なります。9体が三角状に並べられたさまは、宗教的な荘厳さも感じさせます。

    14章は「チェース・マンハッタン銀行のプロジェクト」。ニューヨークに建設される銀行の広場のためのモニュメントで、「歩く男」「女性立像」「大きな頭部」の3点を設置する構想でした。プロジェクトは実現しませんでしたが、最終的な大きさで制作された彫像がここで展示されています。なお、この3点に限り来館者も撮影が可能です。


    13章「ヴェネツィアの女」、14章「チェース・マンハッタン銀行のプロジェクト」

    母国スイスでも人気が高く、100スイスフラン紙幣にはその肖像が描かれているほど(ちなみに10フランはル・コルビュジエ、50フランのゾフィー・トイバー=アルプも画家と、スイスの紙幣は芸術家率が高いです)。日本で開催されるジャコメッティ展としては2006年に神奈川県立近代美術館などで開催された「アルベルト・ジャコメッティ展」以来、11年ぶりです。東京展の後、豊田市美術館に巡回します(10月14日~12月24日)。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年6月13日 ]



    ■ジャコメッティ に関するツイート


     
    会場
    国立新美術館 企画展示室1E
    会期
    2017年6月14日(水)~9月4日(月)
    会期終了
    開館時間
    <企画展>
    10:00~18:00
    ※当面の間、夜間開館は行いません。
    ※入場は閉館の30分前まで
    <公募展>
    10:00~18:00
    ※美術団体によって、異なる場合があります。
    ※入場は閉館の30分前まで
    休館日
    毎週火曜日休館
    住所
    東京都 港区 六本木7-22-2
    電話 03-5777-8600
    公式サイト http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/
    料金
    当日
    1,600円(一般)、1,200円(大学生)、800円(高校生)、中学生以下無料

    前売/団体
    1,400円(一般)、1,000円(大学)、600円(高校生)

    ※前売券は4月1日(土)~6月13日(火)に発売
    展覧会詳細 国立新美術館10周年 ジャコメッティ展 詳細情報
    おすすめレポート
    学芸員募集
    (公財)東京都人権啓発センター 契約職員(専門員)募集 [東京都人権啓発センター(東京都人権プラザ)]
    東京都
    荻窪三庭園担当 契約社員募集! [荻窪三庭園]
    東京都
    【公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団】学芸員募集 [ポーラ伝統文化振興財団(品川区西五反田)141-0031 東京都品川区西五反田2-2-10 ポーラ五反田第二ビル]
    東京都
    【利尻町立博物館】学芸員募集! [利尻町立博物館]
    北海道
    川崎市市民ミュージアム職員(総務)募集 [川崎市市民ミュージアム]
    神奈川県
    展覧会ランキング
    1
    皇居三の丸尚蔵館 | 東京都
    第4期「三の丸尚蔵館の名品」
    開催中[あと26日]
    2024年5月21日(火)〜6月23日(日)
    2
    国立西洋美術館 | 東京都
    モネ 睡蓮のとき
    開催まであと130日
    2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火)
    3
    東京オペラシティ アートギャラリー | 東京都
    宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO
    開催中[あと19日]
    2024年4月11日(木)〜6月16日(日)
    4
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    MUCA展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~
    もうすぐ終了[あと5日]
    2024年3月15日(金)〜6月2日(日)
    5
    東京都美術館 | 東京都
    デ・キリコ展
    開催中[あと93日]
    2024年4月27日(土)〜8月29日(木)