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レポート
没後150年 歌川国芳展
森アーツセンターギャラリー | 東京都
金魚が立つ、猫が踊る。
幕末の浮世絵師、歌川国芳。没後150年にあたる2011年はさまざまな国芳展が行われましたが、森アーツセンターギャラリーで始まった本展は、没後150年のしめくくりに相応しい大規模なものになりました。
版本「稗史水滸伝」
美人画
役者絵。サーチライトのような表現。
「弁慶が勇力戯に三井寺の梵鐘を叡山へ引揚る図」。構図が抜群です。
擬人化した猫。国芳は懐に猫を入れて描いていたほどの猫好きでした。
「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」板木・新摺品
影絵遊びの2点。人がつぶされているのは…いわゆる「狸の八畳敷き」です。
「『荷宝蔵壁のむだ書』黄腰壁」。後期で同種の別作品「黒腰壁」が展示されます。
卓越したデッサン力と奇抜な発想の浮世絵で知られる歌川国芳。近年の評価は国内のみならず海外でも高まる一方で、2009年にロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで開かれた「KUNIYOSHI」展は大きな話題となり、2010年にはニューヨークでも開催されました。


展示会場

本展は「武者絵」「説話」「美人画」「子ども絵」「風景画」「摺物と動物画」「戯画」「風俗・娯楽・情報」「肉筆画・板木・版本ほか」の9部構成。国芳の美人画や風景画にスポットを当てた構成はちょっと珍しいかもしれません。

近年の研究で、国芳の風景画にはオランダの銅版画に倣ったものがあることも分かってきました。好奇心旺盛な国芳の一端が垣間見えるように思われます。


水滸伝を題材にしたすごろく

国芳の国芳たる所以は、何と言っても戯画。半裸の男が集まって男の顔になっている「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」や、集まった動物を影絵にすると全く別の形になった作品など、今回もユーモアあふれる作品がズラリと並びます。

猫の戯画「たとゑ尽の内」三枚組(前期展示)が揃ったのは、本展が初めて。擬人化された金魚の傑作「金魚づくし」は今まで8図が確認されていましたが、この度、イタリアで見つかった9図目「きん魚づくし ぼんぼん」も里帰りし、初公開されます(後期展示)。


展示会場

筆者が興味をひかれたのは、壁に釘で引っ掻いて落書きしたような「『荷宝蔵壁のむだ書』黄腰壁」(前期展示)。ふざけて描いたようなタッチですが、描写は正確。何よりも、国芳が絵を描くのが好きで好きでたまらない、という雰囲気が漂ってきます。

お正月に相応しい、元気が出る楽しい浮世絵。1月17日(火)までの前期と1月19日(木)からの後期で多くの作品が入れ替わりますので、公式サイトでご確認の上お出かけください。※1月18日(水)のみ休館日です
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年12月15日 ]
 
会場
会期
2011年12月17日(土)~2012年2月12日(日)
会期終了
開館時間
※展覧会によって異なります。
住所
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://kuniyoshi.exhn.jp/
展覧会詳細 没後150年 歌川国芳展  詳細情報
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