河本五郎 - 反骨の陶芸

    菊池寛実記念 智美術館 | 東京都

    河本五郎(かわもと・ごろう/1919~1986)は日本社会が新たな価値観を模索する戦後から高度経済成長期を背景に、既成の技術や概念を客観的に捉える論理的な思考で、現代における陶芸を追求しました。1000年以上の歴史を持つ陶磁器の生産地、愛知県瀬戸市に生まれ、幼少より瀬戸の窯業に身を置きますが、個人の創意で陶磁器の伝統や歴史に対峙します。  河本の制作は、初期において家業の染付磁器に個性を発揮した作品があるものの、大きくは前半の陶器と後半の磁器に分かれます。陶器では、土の粗い表情や裂け目、歪み、ひずみを生かし計算し、様々な方法で素材感や物質感をダイレクトに造形化する作風を確立しました。成形技法としてロクロに重きを置いた当時の瀬戸において、作りたいものに合わせて土や技法を選択、または開発する河本の姿勢は異質なものでした。 家業とは異なる制作で作家として自立した河本ですが、意志ある姿勢はそのままに、しかし陶器から磁器へと制作を移行させます。そして、瀬戸の染付磁器と更にそのルーツとなる中国陶磁への考察をもとにしながら、現代の陶磁器として独自の染付と色絵に取り組んだのです。それは自らの制作で陶磁の伝統や歴史に迫り、乗り越え、進展させようとする行為であったといえます。 本展は、東京で開催する没後初めての回顧展となります。陶磁器を表現素材と捉え、その創作に真摯に向き合った初期から晩年までの70余点で河本五郎の陶芸をご覧ください。
    会期
    2023年4月22日(土)〜8月20日(日)
    会期終了
    開館時間
    11:00~18:00(最終入館17:30)
    料金
    一般1,100円/大学生800円/小中高生500円
    休館日 毎週月曜日(ただし7月17日は開館)7月18日(火)
    会場
    菊池寛実記念 智美術館
    住所
    〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル
    03-5733-5131
    河本五郎 - 反骨の陶芸のレポート
    1
    1950年代から80年代に活躍した陶芸家・河本五郎。
    様々な技法に挑戦し、大胆な技法や斬新なデザインで新しい世界を築こうとした、知られざる陶芸家を紹介します。
    おすすめレポート
    学芸員募集
    大阪府立弥生文化博物館 学芸員(常勤・非常勤)募集中! [大阪府立弥生文化博物館]
    大阪府
    【2024年5月開館】「名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館」正規学芸員を募集! [愛知県名古屋市中区栄3丁目35番43号(名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館)]
    愛知県
    【DIC川村記念美術館】学芸員・レジストラーを募集しています [DIC川村記念美術館]
    千葉県
    高知県立埋蔵文化財センター調査員募集中! [高知県立埋蔵文化財センター]
    高知県
    臨時的任用職員( 教育普及部職員)を募集中! [宮城県美術館]
    宮城県
    展覧会ランキング
    1
    国立西洋美術館 | 東京都
    モネ 睡蓮のとき
    開催まであと70日
    2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火)
    2
    SOMPO美術館 | 東京都
    ロートレック展 時をつかむ線
    開催中[あと58日]
    2024年6月22日(土)〜9月23日(月)
    3
    国立新美術館 | 東京都
    CLAMP展
    開催中[あと58日]
    2024年7月3日(水)〜9月23日(月)
    4
    東京国立博物館 | 東京都
    カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話
    もうすぐ終了[あと1日]
    2024年6月12日(水)〜7月28日(日)
    5
    麻布台ヒルズ ギャラリー | 東京都
    ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―
    開催まであと97日
    2024年11月1日(金)〜2025年2月2日(日)