ヴィフレド・ラム展 -変化するイメージ-

    横浜美術館 | 神奈川県

    ヴィフレド・ラム(1902~1982)はキューバ中部の町サグア・ラ・グランデで生まれた。父は中国人、母はアフリカとスペインの血をひく。幼少の頃から豊な想像力に恵まれたラムは、詩人か画家以外の職業は考えられなかったという。ハバナの美術学校で学んだ後、念願のスペイン留学に出発する。ボッスやゴヤなど古い西洋絵画に心酔して技術を磨く一方、マドリードの知識人サークルに出入りし、マティスやピカソの前衛芸術にも共感した。14年に及ぶスペイン滞在中には多くの苦難を乗り越えねばならなかった。愛するものの死、そしてスペイン内戦では共和派に協力する。やがてパリに移り、ピカソに暖かく迎えられる。アフリカ彫刻を思わせる人物画を描いて注目を集める。シュルレアリスムの詩人アンドレ・ブルトンとの出会いは、ラムの詩的な創造力の開放をうながした。こわばった人物像は流麗な線で和らぎ、新しいかたちが次々に生まれていった。第二次大戦をさかいに再び故国キューバの土を踏んだとき、人としても芸術家としても成熟していたラムは、己の進むべき道を見定めることができた。 ラムの円熟期の作品には男と女、人間と植物や動物などが合体したイメージが繰り返し登場する。それらは互いに結び合い、また対立しながら、空間を神秘的なエネルギーで満たす。ある時は優美なエロスで見るものを魅了し、ある時は鬼神のように威嚇する。まさに変幻自在な彼らの織りなすドラマは、変化してやまない世界そのものを象徴していると言えよう。そうしたラムのイメージの根源にアフリカの聖霊や錬金術のシンボルがかいま見える時、私たちはキューバ、アフリカ、ヨーロッパ、さらには中国につながる、人類の太古の知恵へと誘われることになるだろう。 (展覧会のちらしより転載)
    会期
    2002年10月26日(土)~2003年1月13日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00
    (入館は閉館の30分前まで)
    料金
    一般 1200(1000)円/大高生 800(700)円/中小生 400(300)円 ※( )内は20名以上の団体料金 ※本展のチケットでコレクション展もご覧頂けます。
    休館日 毎週木曜日、12月29日-1月3日
    会場
    横浜美術館
    住所
    〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
    045-221-0300
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