MIND TRAILは今から3年前の2020年、コロナ禍における観光復興の一環として開催しました。作品を通して奥大和の雄大な自然を体感するために何時間もかけて歩く芸術祭は、大きな打撃を受けていた奥大和の観光の活性化に寄与することができました。
奥大和に集まるアーティストや来訪者の視線が芸術祭にだけではなく地域やその産業、伝統文化にも向けられ、MIND TRAILは奈良を外からアップデートする役割を担っている芸術祭であると、回を重ねるごとに感じています。
その目的をより明確化できるよう、3回目の開催から具体的なテーマを掲げることにしました。
それによって、MIND TRAILの構造を改めて見直すことができたとともに、地域と来訪者と作品とアーティストの4つの関係性が新たに構築されました。MIND TRAILのテーマは、関わる人全ての共通の哲学として意識されているのです。
4回目の開催では、Competency(能力)をテーマとします。
人それぞれが元々持っている力が、地域の方々や作品や自然と深く交わり、奥大和の活性化にさらなる力を加えていって欲しい。そのような思いで今回のテーマを考えました。
地域に暮らす人々の素晴らしさと資源に改めて光をあて、開催地域では個々人が持っている才幹や感性をいかんなく発揮できる場が生まれ、来訪者は交流によって芸術祭や観光以上の体験を得、経験値を高められるような場になることを期待します。
小さな行動はやがて交わって大きな「交動」になります。MIND TRAILも、関わる全てを巻き込む強い力を持った芸術祭に発展し続けていきたいと考えています。
MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館 プロデューサー 齋藤精一(パノラマティクス主宰)
(公式サイトより)