新春特別陳列　宸翰　-天皇の書-

　宸翰（しんかん）とは天皇の自筆の書のことで、その種類には日記・消息・詠草・懐紙・経典、あるいは画賛や額字などかなり多様性があり、それゆえ現存する遺品も相当の数にのぼります。世界でも他に例を見ない天皇自らが記した書ということで、古来より鑑賞あるいは蒐集の対象とされました。それだけ魅力があったということになります。 　では、宸翰の魅力は何かといえば、自筆であるゆえの個性ではないでしょうか。特に、鎌倉時代から南北朝時代にかけての天皇の書は宸翰様とも称され、非常に際だった個性が発揮されています。その中にみえる喜怒哀楽といった表情の豊かさも魅力の一つにあげることができるでしょう。 　宸翰は古筆や手鑑とならび、当館における館蔵品と寄託品を含めた書籍収蔵品の一大コレクションを形成するものです。この機会に多くの皆様にご覧頂きたく思っておりますので、是非ご来館ください。