築城400年を迎えた彦根城。これを記念して、彦根城のあゆみを紹介する展覧会を開催します。
慶長5年(1600)の関ヶ原の合戦に勝利した徳川家康が、近江国(滋賀県)を新たに配下におさめて、筆頭家臣の井伊直政を佐和山城主(滋賀県彦根市)にしましたが、その後、井伊家によって佐和山に代わる城として彦根城が築かれました。慶長8年(1603)、彦根山に新たな城を築くことが徳川家康により決定され、翌慶長9年7月から工事を開始しました。芹川の流路を付け替え、彦根山を掘削して堀をめぐらすなど、大規模な土木工事によって城郭がととのえられ、慶長12年(1607)までには山頂に3階建ての天守が築かれました。いくさに備えた基本的な構造ができると、幕府から支援を受けた工事は一旦休止となります。その後、元和元年(1615)大坂夏の陣によって豊臣家が滅亡して戦争がない時代となると、築城工事を再開しました。この時に、政庁となる表御殿を造営し、三重の堀を築き、町人の住む城下町を整備して、藩主・家臣や多くの商人・職人が暮らす都市ができあがったのでした。
この展示では、築城以前の彦根の姿をはじめ、築城の経緯、城郭のかたちや城下の暮らしなど、彦根城の多様な側面を豊富な絵図や記録によって紹介します。江戸時代を通じて全国有数の都市であった彦根の姿をごらんください。